たぶん物置に使われている払い下げのコンテナです。周囲になじんでいるものの、いまだにはっきりと読める国鉄の文字、丈夫です、、、。(2019年春詠)
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捨てられてバケツ底無し冴返る
砕石場横の草むらにブリキのバケツ、誰がこんなところにと覗いて見ると底が無い。底が無いのにいくつかの空缶が入れてある。一年経った今も同じところに、もう周囲の色になじんで誰も気づかない、、、。(2019年春詠)
川底に赤錆の鎌冴返る
散歩途中に覗き込んだ用水路の底に一本の赤さびた鎌、ずいぶん長くそこに沈んでいたのだろうと思える色、どうして今まで気づかなかったのだろうか不思議なものです。気づけば毎日覗いて見たくなるのですが、やがて水量も増え、水草が生え、いつの間にか忘れてしまいます。これもいつもの事です、、、。(2018年春詠)
ぎこちなく釘打つ音や冴返る
近所から聞こえて来た釘を打つ音、素人、、、。(2017年春詠)
冴返る病院裏の常夜灯
病院のそれも裏口の常夜灯です。父が亡くなる前、すでに医者から告げられた余命の日数は越えていました、、、。いつまでたっても反省ばかりで、今ならもっとしてやれる事があったと思うのですが、過ぎてみないと分からない、、、。(2003年春詠)
死人てふ人だかりあり冴返る
徒歩通勤をしていた頃の古い事です。田圃の向こうに見える神社の傍に朝から人だかりがあり、パトカーの赤色灯が回っていました。何だろうと思っていたら、ちょうどそちらから戻って来た知り合いが、行き倒れの死人らしいと教えてくれました。寒い朝のことでした、、、。(2003年春詠)
冴返るミサイルにある前倒し
冴返るでもう一句、なんでミサイルの発射に前倒しがあるんだと思った昨年春の句です。今年は静か、他のニュースは賑やかですが、、、。説明がないと分からないですね、、、。(2016年春詠)
山門に古き槍痕冴返る
倉敷観龍寺の山門、左手の潜り門の鴨井にある傷跡は幕末に倉敷代官所に攻め入った長州藩士が陣を張った時につけた槍痕とのこと、そう思って眺めると、、、。(2016年春詠)
飛行機を音の追ひかけ冴返る
子供時代を過ごした実家は山の隙間のようなところにあって、空が近かったせいか飛行機がずいぶん低いところを飛んでいたような気がする。それに比べるとこの辺りでは高いところを、それも定期航路でもあるのだろうか、数も多く飛んでいる。映像と音だから絶対に音が早いことは無いのだが、その音の遅れ方は、風の方向と強さによってずいぶんと違う、、、。(2014年春詠)
頭の中に我声のあり冴返る
そろそろ話題を戻そうと思います。去年歩いていてふっと掲句のような感覚にとらわれて、これって寒さで頭がどうにかなる前なんじゃあないかと思ったりしました。それで今年からはニット帽をかぶることにしました。ついでにネックウォーマーで鼻まで隠して、これで犬をつれていなかったら、ちょっとした怪しいおじさんです、、、。(2014年春詠)