雑草には間違いないのですがもうすぐ春が来る証と思えば雑草の芽も愛おしくなるのです、、、。(2020年冬詠)
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寒の雨ベンチに帽子濡るるまま
街中の公園の片隅にあるベンチ、そぼ降る雨の中、忘れられた帽子、、、。(2020年冬詠)
寄り添ひし犬にさす傘寒の雨
寒の雨は冷たくて寒くて好きになれない。とは言え日課はこなさなければならない。「濡れるからもっとくっつきなさい」と言ったって、犬は意に介さない。黙々と歩いて行く、、、。(2016年冬詠)
心まで濡らすざざ降寒の雨
新年早々ですが町内にお葬式がありました。亡くなられたのはこの地に住みだした当時の隣家の方で、家を建てて引っ越してからも同じ町内でお付合いしてきた方です。知らせを聞いても全く信じられませんでした。他にもまだ高齢の方が何人も居られるのにと、他にもに該当する方々に失礼な事を思いましたが、こればかりは年齢で順番が決まる訳ではないから仕方が無いですね。九州生まれで大阪で結婚し、奥さんの実家があるこの地に渡って来た方で、黄門様のような髭を蓄えたやさしい方でした、、、。掲句は昨年、寒の雨は冷たい、、、。(2014年冬詠)
とんびにも鳴き交わすこと寒の雨
今日は小寒、いよいよ寒くなってきました。そりゃあトンビだって、と思った昨年の句です。寒い雨の中で、邪魔者のカラスも居なくて、仲の良さそうな声が聞こえていましたよ、、、。(2013年冬詠)
寒の雨窓にムンクの顔がある
特に何があった訳でも無く、引き継ぎの仕事は順調に進んでいた。むしろ順調すぎて、外を見る時間が増えていた。ひどい雨だった。二階にある事務所の窓は一日中雨に打たれ、外は午後三時を過ぎるともう薄暗くなっていた。窓ガラスはしだいに透明度を落とし、しだいに室内の様子が映るようになって行った。窓際に立つと、パソコンに向かう女子社員の横顔を背景に、自分の顔が映っていた、、、。<阿南7>(2011年冬詠)