背に受ける自然の風、ちょっと贅沢なつかの間の眠り、、、。(2022年夏詠)
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三尺寝写真の母に起こさるる
八月です。そろそろ実家の墓掃除のシーズンです。墓掃除を済ませて、仏壇の写真の前でひと眠り。そんな昨年の句です、、、。(2020年夏詠)
大梁に虫の食み跡三尺寝
吟行を終えていかしの舎まで帰り、ちょっとお休みとばかりに縁側に横になる。上を見ると立派な梁がある。さすがと感心しながらよく見ると、立派な梁にも虫食いの跡が、、、。(2017年夏詠)
あての無き風を頼りの三尺寝
先日何かのテレビで、昼間眠いのはあまり良い事ではないらしい話をしていたが、しかしあの昼食後の眠気はいかんともしがたく、年中休日なのを良いことに、ついうつらうつらとしてしまう。そのまま眠りこけてしまえば昼寝、「さあ仕事!」と大工さんのようにピタリと起き出すのが三尺寝の本筋だろう。とにかく少しの場所と風さえあれば他に言うことは無い。だが問題もある。これに慣れてしまうと、句会へ行っても必ず眠気が襲ってきて、いつもぼやけた頭で出句時間を迎えることになってしまうのである、、、。(2014年夏詠)
三尺寝さそふベンチの風であり
宇野港での句。豪華客船近くの日陰に置かれたベンチに座り、海からの風を受けていると自然と眠くなってしまう。いやいや眠ってはいられないぞ!昼食と句会が待っている。昼食と句会は「どてきりや」さんという坂の上の洒落たお店でした、、、。(2013年夏詠)
筒抜けにラジオ鳴らして三尺寝
通りがかりの新築現場での句です。ここに限らず、一人仕事の多い大工さんは、ラジオを友とされていることが多いですね。昼食後のつかの間をラジオを聞きながら三尺寝、不思議と時間が来ると眼を覚まし、、、。(2002年夏詠)
国宝の縁を借りたる三尺寝
閑谷学校は何度訪れても飽きることがない。丸みを帯びた石塀、講堂の磨かれた床、床に切られた炉の跡にも心惹かれる。講堂の縁に腰を下ろし、吹く風に身を任せながら古に想いを馳せていると、つい眠くなってしまう。(2002年夏詠)