小六誠一郎さんの句に「小春日の葬の家まで小半時」があります。私が初めて出た合歓の会の句会で、この句に共感できることをしどろもどろにしゃべった記憶があります。父が亡くなり、身体が不自由になった母の代わりに田舎の葬儀に出るようになった頃でしたが、田舎での葬儀は実際こういう感じでした。子どもの頃に通った道を、葬儀のある家まで記憶をたどりながら、小春日の中を歩いていくのです。人の死が哀しくないわけは無く、それは不謹慎な事ですが、私にとってその小半時は、死者からいただいたありがたい時間なのでした、、、。初めての句会で不安そうに見えたのでしょう、やさしく声をかけてくださった恰幅の良い紳士が誠一郎さんでした、、、。その誠一郎さんが亡くなられました。ご冥福をお祈りいたします。良き句友であり、人生の大先輩でした、、、。(2009年冬詠)