休み田を分けて一条春の水

これは実家から少し山のほうへ行った風景です。昔は見上げるような山の上にも民家があり、棚田が続いていましたが、人が減り、民家も無くなり、かつての棚田もただの湿地になってしまいました。そんな湿地となった棚田の中に、長年の間に自然に出来たのでしょう、細い水路が一本次の田に続き、小さな水音をたてているのでした、、、。<その7>(2009年春詠)

勝山は家の下より春の水

昨日の続きのようですが、こちらは数年前の句です。古い町並みの通りに面して沢山の雛人形が飾られる行事があります。古い雛飾が見たくて行ったこの日も、時折霙が降ってくる寒い日でした。その賑やかな通りの外れのほうに、こんなところがあります。結構幅広のきれいな用水が、家のしたをくぐってとうとうと流れているのです。早春らしい風景でした、、、。(2010年春詠)

たうたうと春の水吐く土管かな

会社までの徒歩20分の距離は句作にはちょうど良い距離だった。田圃の側を通り、国道を渡り、また田圃の側を通る。住宅地に入りしばらく歩くと数メートルほどの路地がある。ここを抜けるとまた国道に出、信号を渡る。ガソリンスタンドの側を通り、高速道路のガードをくぐると会社だった。田圃の脇には用水が流れ、四季それぞれの様相を見せる。そんな一こま。そろそろ田圃のシーズンが始まる。(2011年春詠)