樹齢何百年という桜になると当然ながら桜守は一人ではない。代々受け継いで桜守を続けていくのだろう。年齢は桜よりも若いが実際老いているのは桜守、後継者がいないと悩む姿がテレビの桜中継にあった、、、。(2020年春詠)
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廃屋のトタン鳴らして涅槃吹
陰暦二月十五日はお釈迦様の入滅の日にあたり、この頃に吹く風の事を涅槃西風、涅槃吹と言うそうです、、、。(2020年春詠)
春闇に眼の慣れ身体冷えて来し
明かりを持たずに出た闇夜、最初は真っ暗でも少しすれば眼も慣れて来る。眼が慣れて来ると今度は身体が冷えて来る。まだ夜は寒い、、、。(2020年春詠)
滑りやすき厄除坂の春の雨
厄除坂で転んでは意味がないとしっかり下を見て上った倉敷阿智神社の厄除坂、、、。(2020年春詠)
花三分犬を待たせて樹を仰ぐ
当地では三分咲きには少し早いのですが、愛犬と歩いた昔を思い出しての句を、、、。(2020年春詠)
花冷の庭に大工が木端焚く
掲句は昨年の今頃、川向うに見える大きな純和風のお家、昔ながらの大工仕事なのでしょう、長い間金槌の音が続いていました。どんなお家になるのだろうと見ていたある寒い朝の景です、、、。(2020年春詠)
白木蓮散るやはらりと音のして
白木蓮は好きな花の一つです。手入れの行き届いた白木蓮も自然に任せた白木蓮もどちらも好きです。我が家にはありませんが、近くにある何か所かを覚えていて楽しんでいます、、、。(2020年春詠)
囀や自分で見えぬ耳の穴
賑やかになって来ました。鶯、雲雀、雉、目白、頬白、四十雀。早くも燕まで、、、。(2020年春詠)
ゆらゆらと日のある空を鳥帰る
古い句を整理していたら出て来た句です。仕事が面白かった頃です。たぶん仕事で疲れた眼を癒そうと会社の外に出てコーヒーでも飲んでいたのでしょう。ふと見上げた空に小さくなってゆく鳥の群が、、、。(1999年春詠)
野に生きるものの短命春北風
野に生きる動物は総じて短命と言えます。先日も散歩の途中でふと目をやると土手の途中に真新しい鼬の死骸がありました。土手の上で車にでもはねられたのでしょう。せっかく寒い冬を耐えて生きて来たのに、春になって死ぬなんて、、、。(2020年春詠)