昨日も禿げ頭と書いて、今日もまた禿げ頭ですが、けっして禿げ頭を笑っているものではありません。むしろ、突然ニット帽の下から現れたよく手入れされた頭に驚いて、尊敬の念さえ抱いてしまった時の句です、、、。(2016年春詠)
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山笑ふ産毛のごとく雑木伸び
伐採された山に新しい木々が生え始めている。山を人間の頭に例えるなら、ちょうど禿げた頭に生えた産毛程度ではなかろうか、とふと考えた。もっとも人間の禿げ頭が再生することはめったに無いが、こちらは強い。ふさふさと、確実に勢力を広げて行く、、、。(2016年春詠)
冷やかしに入るみやげ屋春の昼
冷やかしも冷やかし、吟行途中になんとか一句をと思いながら入るものだから気もそぞろ、店員の声もなんのその、、、。(2016年春詠)
春の夢目覚と共に佳句消ゆる
よくあるんです、、、。(2016年春詠)
用水の二手に分かれ春の音
水は四季折々の音を聞かせてくれます。散歩途中に越える用水路、その石橋の手前で二つに分かれ、越えた流れがすぐにまた二つに分かれています。それぞれが賑やかな音をたてる、なんとも複雑な構造です、、、。(2016年春詠)
春の色ふくめば春の味となる
倉敷あきさ亭での句。いつも季節の素材を活かした手料理で持て成される。目で味わい、舌で味わい、そして句にして味わう。なら良いのだが、たいていは舌の段階で止まってしまう、、、。(2016年春詠)
首まはしコキコキ音が鳥帰る
コハクチョウの北帰行が始まったと聞いたのはもうずいぶん前のような気がする。散歩途中で見かける川の鴨たちもそろそろ旅立つのだろうが、もう帰りますと言ってくれる訳ではなく、知らないうちに旅立ってしまう。何だか川が広くなったなあと感じる日が近いのは確かだ、、、。(2016年春詠)
春眠の時に遅速のあるやうな
見たいTVがあって炬燵に入っているとつい眠ってしまう。気が付くと後の祭り、困ったものです、、、。(2016年春詠)
この猫も親戚すじや春の昼
ここに家を建てた頃は側を通る道路も通行量が少なく、捨て猫が何度もありました。それも毎年同じ毛並みの同じ顔の猫です。ある時ちょっと離れた酒屋さんに買い物に行ったら、なんとその捨て猫と同じ顔の大きな猫がいるではありませんか!出て来たお店の女将さんを見ると、あっ、いつも家の側を通るおばさんだ!なるほど、、、。その後ほかの人に聞いた話では猫好きのそのおばさんは実家がその酒屋さんで、毎日我が家の側を通って店を手伝いに行っているとか、、、。(2003年春詠)
春の鴨水の中にも恋生まれ
鴨はどこで恋をするのだろう。水の中か、陸に上がってか。やはり落ち着いて恋が出来るのは水の中だろうか。なんて暇な事を考えたりするのです。そろそろシーズンなのではないでしょうか、、、。(2016年春詠)