遠ざかる佞武多の明かり旅の宿

学生時代に旅した下北半島のどこかの町のユースホステルでの夜、開け放った二階の窓の向うに広がる闇の中を遠ざかってゆく一台の佞武多。小さな町の佞武多祭だったのでしょう、見たのはこの一台だけでしたが、遠ざかる明かりの灯ったオレンジ色の像がやけに印象的な佞武多の光景でした、、、。(2022年夏詠)

言はずとも育つ南瓜に声掛けて

掲句は昨年、今年はとうとうこの時の南瓜の種からは芽が出ませんでした。捨てた種から次の年の南瓜が、と何年も繰り返しましたがとうとう途絶えてしまいました。残念、来年は新しい苗を買って一からスタートするつもりです。同じように声をかけて育てます、、、。(2022年夏詠)

銀杏黄葉古刹と言ふにふさはしく

銀杏の黄葉は木によってずいぶん差があるように思います。と前置きして、銀杏黄葉は秋の季語ですがこの句を。昨年の倉敷観龍寺での句です。県北那岐山の麓の菩提寺にある大銀杏はそろそろ見ごろとか、、、。(2021年冬詠)

今年また南瓜一つが下がる垣

今年も一つ、捨てた種から育った南瓜を収穫出来ました。芽が出るのも花が咲くのも遅く、九月に入って生った南瓜ですが、心配をよそに大きく育ちました。形も立派。後は味です。冬至まで置いておこうか、早めに食べたほうが良いか思案中、、、。(2021年秋詠)