薔薇が咲いています。数本しかありませんが、香りは充満しています。そんな中での庭仕事、楽しいのですが、そろそろ暑くなって来ました、、、。(2021年夏詠)
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奔放に育ちし薔薇の刺もまた
昔は手入れ専用の皮の手袋も持っていたのですが、今はそれも処分して普通の軍手で我慢しています。当然のことですが刺が、、、。(2019年夏詠)
水やればまた匂ひたつ庭の薔薇
これは我が家の庭の薔薇です。かつては沢山育てた事もあるのですが、今はその当時の残りの蔓薔薇一本だけです。たいして手入れもしないのですが、毎年楽しませてくれます。不思議です、水をやれば途端に匂いが強くなるのです、、、。(2019年夏詠)
生き死にを言うて薔薇見る婆二人
人の生き死にも日常の一つ、薔薇を愛でながら合間合間に大きな声で知人の生き死にの話が入る。屈託のない老婆二人の会話。RSKバラ園にて、、、。(2017年夏詠)
薔薇ちりぬ白き陶磁器割りしごと
まだ明かりを点していない朝のテーブルの上に散らばる真っ白な破片のかたまり、まだ十分に目覚めていない頭では一瞬何が起こっているのか理解出来なかった。落ち着いて周囲を見ると昨夜までその傍のグラスに挿してあった白いバラが消えていた、、、。(2016年夏詠)
薔薇莟む一日分の紅のせて
薔薇は比較的挿し木がしやすい木だと思う。昔は通りがかりに見事な薔薇を咲かせた家を見つけると、お願いして一枝頂いて帰ったりした。とは言え根気は必要で、素人が挿し木をしてもつく確率は低いものだった。もちろんこちらが差し上げる場合もあった。珍しい紫色の薔薇を、通りがかりのおばあさんに請われて、まだ木が弱いからと思いながらも切ってあげたら、案の定その後で枯れてしまった。後悔先に立たずだが、いまだにその色の薔薇を見ると思い出す、、、。(2016年夏詠)
薔薇の庭覗いてをれば鶏の声
オープンガーデンとして薔薇の庭を開放されているお宅を見つけて行った時の事です。薔薇も見事だったのですが、鶏小屋に居た烏骨鶏も立派でした。オープンガーデンは奥様が主人公で、ご主人がそのお手伝いをしていると言ったスタイルをとっているお宅がほとんどです。それでいて実はご主人が自分の趣味で自己主張をされている場合が結構あります。それがここのご主人の場合は烏骨鶏、、、。(2015年夏詠)
切り置きし薔薇の一輪留守の家
ちょっと用事があって訪ねると玄関先にバラの花が一本置いてある。今切ったばかりと見えるのに人の姿がない。何度かインターホンに向かってボタンを押してみたが、まったく人の動く気配はない。どうやら留守のようだが、よく見ると玄関の引戸が少し開いている。我が家も不用心だが同じような家があるものだと思いながら、大した用事ではないのでそっと戸を閉めて家を後にした。我が家のバラも今が盛りです、、、。(2015年夏詠)
紅薔薇やこの家に吾子の同級生
ちょっと遠出の散歩の途中で、長男の同級生の女の子の家があったことを思い出した。滅多に通らない場所で記憶があやふやになっていたが、確かこのあたりと目星を付けたお宅、玄関脇に立つ洋風の郵便受けの苗字は確かにそうだった。おとなしい子だったがその後どうしたのかなあと思いながら、きれいに咲いた紅い薔薇を眺めて帰った、、、。(2013年夏詠)