山陰の寒そうな川の中で微動だにしない鷺、たぶん無の境地、、、。(2019年秋詠)
廃屋を閉ざすが如く茨の実
散歩途中にある砕石場跡地の廃屋、周囲がしだいに草木に覆われて見る影もない。道べりにある入口の前に野茨がちょうど有刺鉄線のように生えていて、鍵も無く半ば開きかけたドアもこれじゃあ泥棒も入れまいと言った感じになっている。その野茨に赤い実が、、、。(2019年秋詠)
秋寒の心貧しき日なりけり
何でこんな句を残したのか、今となっては不明、、、。(2019年秋詠)
昼灯すパブ「赤煉瓦」蔦紅葉
倉敷アイビースクエアにあるパブ、半地下のような位置に小さな入口がある。昼間通ると灯りが消えている事が多いが、この日はたまたまドア越しに灯りが、、、。(2019年秋詠)
深秋の会釈して過ぐ杖の人
散歩の途中で初めて出会った杖の老人、この時の一度っきりでした、、、。(2019年秋詠)
さりげなく残す一枚蛇穴へ
さすがに朝晩は寒くなって散歩に出ても蛇の本体に出会う事は無くなった。掲句は昨年、いつ脱いだものだか、河原の茨の蔓に絡まるようにして蛇の衣が一枚。一応周囲を確かめる、、、。(2019年秋詠)
秋蝶の日差濃ければ影連れて
久し振りに見た晴天の日の揚羽蝶、、、。(2019年秋詠)
実山椒日差かたむく杣の家
家の裏の土手にある山椒の木が大きくなって真っ赤な辛そうな実がたくさん生っている。試しに口に入れて噛んで見たら舌の先から唇までしびれるぐらい辛かった。不思議なもので、その辛い実を鳩が食べに来る。棘のある枝の中に入り込んでこっそりと啄んでいる。そんなに食べたら身体中がしびれてしまうぞと思うのだが、どうやら平気なようで、見つかると普通に飛んで逃げて行く、、、。(2019年秋詠)
遠近に上がる稲滓火夕近し
昔ながらのこの時期の風物、特に雨が近い日の夕方に多い、、、。(2019年秋詠)
一連の柿干してある格子窓
倉敷、あきさ亭、、、。(2019年秋詠)