冬至まではまだ一月以上ありますが、随分日が短くなった気がしますね。散歩も日向ぼっこ同様日のあるうちに出るのが一番ですが、ちょっと遅れると日が落ちてしまいます。途端に河川敷を吹く風は冷たくなって身震いするほどになってしまうのです。それなら早く出れば良いのですがついつい、、、。(2017年冬詠)
銀杏散る下に佇む小ささよ
近所にあった廃屋の裏に大きな銀杏の木がありました。この地に住みだした頃にはまだ若木でしたが三十年経って立派な大木になっていました。それが今年は廃屋の解体と一緒に切られてしまって、ちょっと寂しい空になってしまいました、、、。(2017年冬詠)
旅立の氏神様にカップ酒
秋祭が済むと次は正月まで訪れる人はいないような近所の神社、珍しく閉められた拝殿の前にカップ酒が一つお供えされている。折しも旧暦の十月、出雲へ旅立に間に合ったかどうか、、、。(2017年冬詠)
山里に落葉さへぎる音のなし
どういう訳か鳥の声も聞こえてこない。静寂の中で落葉の降る音だけが続いている。時に大きく、時に小さく、、、。(2017年冬詠)
時に竿立てて釣師の小六月
鯉釣りの季節のようです。河原に車を止め、一人で何本も竿を立てている方を見かけます。おなじみの老釣師は常に一本だけ、鯉との勝負に集中されています。去年は70Cm、80Cmの鯉を何度も見せてもらいました。見事なものです、、、。(2017年冬詠)
列車着く頃や冬日の差し初めて
昨年の誕生寺吟行での句、駅で県南から来る句友の到着を待っていた時間だから午前十時前頃、やっと雲の間から駅舎の前に薄日が差してきてホッとした。晴天とはいかないだろうが、初冬らしい吟行日和の予感、、、。(2017年冬詠)
部屋の壁窓の形に冬朝日
冬に入りました。日差が恋しい季節です。晴れた日には出来るだけ早く窓のカーテンを開けます。壁まで日差が届くのは短い時間なのですが、それでも何となく暖かくなったような心になれます、、、。(2017年冬詠)
日翳れば冬の足音すぐ傍に
日差にホッとするのもつかの間、翳るとたちまち寒い風が吹いて行きます。もう明日は立冬ですね、、、。(2017年秋詠)
とある日の全き空に秋惜しむ
完璧な青空、、、。(2017年秋詠)
亀虫が東司の窓に日を求め
某名刹のトイレ、「落葉が入るので戸を閉めてください」との貼紙があったが、カメムシまでは阻止出来なかったようだった。閉まった窓の硝子にくっついて日動かなかった。外は晴天、、、。(2017年秋詠)