ワクチンへ榎若葉のクリニック

コロナのワクチン接種に行ったクリニック、駐車場の隅に大きな樹がありなにやら表示した看板がある。予約時間に間があるので見学に。この場所は由緒あるお屋敷の跡、そこにあった樹齢何百年(年数を忘れました)かの榎をそのまま残してあるとか。何百年経とうと同じように芽を出し若葉を茂らす榎、クリニックにはふさわしいかも知れない。クリニックは改築された瀟洒な建物、、、。(2023年夏詠)

雨しとど山に点々朴の花

柔らかくて素直な朴の木には版画やら彫刻やらでずいぶんお世話になりました。その性格をそのまま花にしたような大きくて白い朴の花、好きな花です。掲句は昨年、雨中の散歩で見上げた山の所々に、、、。(2023年夏詠)

分け入りし深山間近に時鳥

四日ほど前の朝、今年初めての時鳥の声を聴きました。まだ雑音の少ない時間帯、遠くの山を移動しながら鳴いている感じの声でした。でもそれっきりです。数が少なくなったのか、聴力の衰えか、、、。掲句は昨年、車を止めた駐車場の、思わぬ近さから、、、。(2023年夏詠)

麦秋やパッチワークの今途上

SNSで知り合いになった友達の友達の毎日の投稿に、遠くの山の日々の風景を写した写真があります。その山の手前に家並、そのまた手前に麦畑が写り込んでいます。その麦畑が今麦秋のいい色になっています。そろそろ収穫でしょう。写真の日々の山も楽しみなのですが、麦畑の四季も楽しみです。掲句は昨年、県南にて、、、。(2023年夏詠)

田水張る初め小さき染みひとつ

用水路にあふれるほど水が流れ出し、いよいよと思っていると、きれいに起こされて乾いていた田の水口あたりに小さな沁みが出来る。沁みは時間をかけてじわじわと広がり、やがて一晩もすると眩しい一枚の水面となって、朝日を映す、、、。(2023年夏詠)