葉の紅は耐ふる色とも冬薔薇

甘くは無かったですね。寒くなりました。昨日は一日中雪が舞っていました。積もるほどではありませんでしたが、軟弱ですので迷わずコタツの中へ、、、。掲句は我家の庭の昨年の冬薔薇です。寒さに耐えながら咲いている冬の薔薇は凛とした美しさがあります。でも、そんな薔薇の葉に目をやると、しもやけの手のように紅くなって、、、。(2014年冬詠)

冬出水なんぎしてゐる川の鳥

こんな句がありました。冬に川が濁るほどの雨は滅多にありませんが、あったのですね。さすがの水鳥たちも岸に上がって、、、。一昨日からプールのジャグジーが故障していて難義しています。疲れがとれないと思ったら、どうもこれが原因のような気がします。普段は大体10分ぐらいは浸かっています。一人の時は縁に首を乗っけて手足を伸ばしてプカプカと浮いています。これがついウトウトとしてしまいそうなぐらいに気持ちがいい。大勢で世間話に相槌を打ちながら浸かっているのも、これはこれで楽しいものですが、それもこれもジャグジーが動いていればこそ、、、。(2014年冬詠)

やさぐれて人家うかがふ寒狐

少し前から我が家の庭に四足の動物と思える糞が時々見られるようになりました。小さいから鼬だと思うのですが、正体はまだ見ていません。狐もやって来ますが、狐は糞は残しません。その代わり強い獣臭を残していきます。強烈で、犬の比ではありません。掲句の狐は早朝の散歩で遠くから見かけた狐、やせ細って、家の方を伺いながら行く姿にこんな句が出来ました。もっとも太った狐はいませんけど、、、。(2014年冬詠)

飴なめてマスクの口をしめらする

めったにマスクをする事は無いのですが、喉の辺りが怪しいのでマスクをして、ついでにのど飴までなめていた時の句です。最近は皆さん普通にマスクをされますが、私の場合は違和感があってどうも苦手です。半日ともたず、すぐに外したくなってしまいます、、、。そう言えば、今年は暖冬だからでしょうか、インフルエンザの話題を聞かないと思っていましたが、そろそろのようですね。皆様ご用心ください、、、。(2014年冬詠)

葉牡丹やビルの隙間の奥にビル

大阪での句。田舎町では路地を入るとまた路地があって、うっかり間違えると行き止まりの民家の庭に出たりする。なるほど、都会ではビルの間を入って行くとまたビルがあるのか、と感心した時に出来た句です、、、。(2014年冬詠)

藁焼きし匂とんどの帰りかな

私の実家辺りでは14日の夕方だったように記憶していますが、今は休日に合わせるところが多いようですね。TVでは11日の夜のニュースでやっていました。多いのは明日(16日)ぐらいでしょうか、、、。掲句、すれ違った人から藁を焼いた時の匂がした時の句、、、。(2015年新年詠)

こつそりと鳥の来てゐる枇杷の花

去年は柿が生り過ぎてずいぶん残りました。それに数が多かっただけ粒が小振りでした。それでこの冬の間にしっかりと剪定して、今年は少数精鋭で大きな実を生らそうと思っています。と言うことで年が明けてその選定作業に入りました。ところが素人の悲しさで、伐り方がよく分からないのです。そこで、基本的に昨年残った所は採り難い所、だから今年生っても採らないだろう、だから切れば良い、と判断してバサバサと切っていたら、いつの間にかツンツルテンになってしまいました。まあ、去年が生り年だったから、普通に考えれば今年はならない。だから、「去年あれだけ生ったからなあ」との言い訳は出来ますが、、、。掲句はその側にある枇杷の木、生意気なヒヨドリにいじめられないように、小さな鳥は隠れるようにして蜜を吸いに来ます、、、。(2014年冬詠)

冬ぬくし両手にあまる園児つれ

寒い句が続いたので今日は暖かい句を、、、。平日に吟行に行くと保母さんに連れられた園児たちをよく見かけます。保母さんって大変だなあと思いながらいつも眺めるのですが、最近はリヤカーを改良したような車に大勢の園児を乗せて移動するのも見かけます。あれは良いですね。子供は乗り物が好きですし、何より保母さんの目が届きやすいですからね、、、。(2014年冬詠)

心まで濡らすざざ降寒の雨

新年早々ですが町内にお葬式がありました。亡くなられたのはこの地に住みだした当時の隣家の方で、家を建てて引っ越してからも同じ町内でお付合いしてきた方です。知らせを聞いても全く信じられませんでした。他にもまだ高齢の方が何人も居られるのにと、他にもに該当する方々に失礼な事を思いましたが、こればかりは年齢で順番が決まる訳ではないから仕方が無いですね。九州生まれで大阪で結婚し、奥さんの実家があるこの地に渡って来た方で、黄門様のような髭を蓄えたやさしい方でした、、、。掲句は昨年、寒の雨は冷たい、、、。(2014年冬詠)

新雪や行けば我が後道となる

このまま春になるとは思えないのですがどうでしょう、、、?掲句は昨年、雪の中を散歩に出た時の句です。早朝に足跡の無い雪の中を歩くのは子供でなくても楽しいものです。前は真っ白、後を見れば犬と自分の足跡だけが続いている、、、。(2014年冬詠)