梅雨空にもちょっと食傷ぎみ、そろそろこんな雲を見たいと思う。次第に白く積み上がり、頂上付近はもう白を超えた白に見える。そんな中から音もなく光りながらジェット機が滑り出してくる。なんて事になれば、もう梅雨空なんてどうでも良い。威風堂々はちょっとありきたりの言葉になった感がありますが、、、。(2015年夏詠)
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人気なき社務所に回る扇風機
阿智神社の社務所、空っぽのことが多い。この日も空っぽ、小さな扇風機が首を振っていた、、、。(2015年夏詠)
桑の木の雀がこぼす青時雨
青時雨と言うだけで濡れた顔や手もなんとなく涼しく気持ちよく感じられる。枝を揺らして逃げて行った雀に感謝、、、。早いものですね、もう夏至ですよ、、、。(2015年夏詠)
蛇死して影焼き付けるアスファルト
朝の散歩に出ると、夜の間に轢死した蛇によく出会う。たぶん夜も残るアスファルトの温みを求めて路上に出ていて被害にあうのだろう。トラックのような大きなタイヤにまともに轢かれると、まるで煎餅のようになってしまう。よくしたもので、その煎餅が次にそこを通りかかる頃には、烏かトンビか、あるいは狐か、綺麗に処分してアスファルトには影だけが残っている、、、。(2015年夏詠)
通し鴨川のあれこれ知りつくし
梅雨で増水した川を鴨が泳いでいる。先頭をスイスイと行く大きいのがお父さんだろうか。少し離れて小さめのが四羽。子供とお母さんなのか、子供だけなのか。まさか、お母さんが四羽ってことはないだろう、、、。(2015年夏詠)
香水と異国の言葉入り交じる
倉敷美観地区での句です。最近はずいぶんと外国の方が増えました。一目で外国の方とわかる人ばかりではなく、外見では分からないアジア系の方も多いです。掲句の香水、おやっ(?)と思っている耳元に聞こえてきたのは中国語でした、、、。(2015年夏詠)
夏草も人も我が物顔の街
どこの街ってことは無いのですが、こんな風に感じることも、、、。ようするに田舎者なんですね、、、。(2015年夏詠)
だんご虫掃けば転がる梅雨の土間
去年も似たような句を書いているということは、やはりこの時期になるとダンゴムシが出てくるという事だろう。箒が触れると丸まってそのまま転がってしまう。うまく丸まるもんだ、、、。(2015年夏詠)
単線の駅の小さし栗の花
我が家の裏を走る姫新線は単線です。その昔家を建てようとしていた頃がちょうど国鉄の不採算路線の廃線になっていた頃で、姫新線ももう十年もすれば無くなるような話でした。ところがどっこい、民営化や駅の無人化などを経て、今もなんてことなく走っています。変わったのは駅ですね。駅は無人化になってずいぶん寂しくなりました、、、。(2015年夏詠)
風鈴や風の道ある通し土間
倉敷にある大橋家住宅です。入口に大きな暖簾がかけてあり、入ると広い土間が裏口まで続いている。広い家の家じゅうが開け放たれて風鈴の音が聞こえている。この家を建てた人は、ここが倉敷で一番涼しい風の通る所と分かっていたのだろうと思うぐらいに、涼しい風が吹き抜けて行く。座敷に座っていると、このまましばらく昼寝が出来たらと、そんな気持ちになってしまった、、、。(2015年夏詠)