実南天廃屋裏の勝手口

廃屋となっている大きなお屋敷、路地を入ると道路沿いに塀が続き、奥まった所にこじんまりと門がある。と思いきや、「○○勝手口」と書かれた木札がかかっている。とすれば大きな勝手口。勝手口と建物との間には育ちすぎた南天がたわわに実をつけている。もうここから入るのは困難だろう。木枠の窓ガラスが見える。映る景色の屈折した光は明らかに古硝子だ。いったいどんな方のお屋敷だったのだろうといつも思う、、、。(2017年冬詠)

牛小屋の跡の更地や実南天

南天の句をもう一句。木山神社に初詣に行くようになっておよそ25年ほどになります。行き始めた頃には参道脇のお家に注連飾りをした牛小屋があって、奥の暗がりに暗がりと同じような色の和牛が鳴いていました。その牛がいつしかいなくなり、注連飾りと牛の匂いだけの牛小屋を見て帰る年が何年も続きました。それが昨年、その牛小屋が跡形もなく無くなっていたのです。それも更地になって間がない土の色でした、、、。今年は、土の色が周囲と同化して、私のように牛小屋の匂いを楽しみにしていた人間でなければ、そこに牛小屋があったなんて分からなくなっていました。傍らの南天は今年も元気そのもの、葉も実も、、、。(2017年冬詠)