自転車も人も老いたり着ぶくれて

近所の女性から「自転車の小父さん」と呼ばれるようになって久しい強面の小父さん。自転車の後に雨傘、頭には鳥打帽、黒の革ジャンパー、臙脂色のズボンのが定番のスタイルで、黙々と自転車を漕いで仕事(たぶん)に向かう。帰りには自転車の前かごに数点の買物を入れて、やはり同じように黙々と自転車を漕いで、、、。その小父さんを久しぶりに見かけた時の句。革ジャンがダウンの防寒着に変わり、自転車が漕ぐ度にガシャコン、ガシャコンと音を立てていた。強面に変わりはないが、心なしか年老いて見えた、、、。(2017年冬詠)

露座売の着ぶくれてなほ寒さうに

掲句、昨年の11月23日の日付、倉敷美観地区での句です。昨年はだいぶ寒かったのでしょうね。今年は暖冬、と言われてその気になっている内に、じわりじわりとやって来ましたね、寒気が、、、。(2017年冬詠)

ヨガマットくるくる巻いて着ぶくれて

一目でヨガ教室へ通うと分かるご婦人方、それぞれにくるくる巻いたマットを持って教室へと消えていく。教室の中は暖かいのだろうか、そうでないとあのままではポーズもままならないだろう。と思えるほどに着ぶくれて、、、。(2016年冬詠)

着ぶくれを極めトイレのままならず

昔に比べると防寒着もずいぶん進歩しましたね。薄くて暖かい下着は常識になってしまいました。それを重ね着して、セーターを着て、さらに一番上にはダウンのモコモコの上着、結局昔よりも着ぶくれているような、、、。(2016年冬詠)

着ぶくれて缶コーヒーを手に男

句会への途中に国道429号線沿いの自動販売機脇で見かけた景、昨年の句です。今年の冬のテレビコマーシャルに、自動販売機の温度を2度上げたというのが有りましたが、ちょうどあの姿でした。あのCMを見る度に思い出して、、、。(2014年冬詠)

着ぶくれて我も子羊神の前

昨年の納め句会に出した阿智神社での句です。ちょっとだけ今年の未年に引っ掛けて詠んだつもりの句ですが、その未年も残り僅かとなってしまいました。この時に子羊の気分になって素直にお願いしたおかげでしょうか、良い年だったと思います。今年は24日が納め句会でしたが、また同じように阿智神社へ行きしっかりお願いをして来ました。来年も無事に年の瀬が迎えられますようにと。暖かい日でした。着ぶくれていると汗が出るくらい、、、。(2014年冬詠)