太陽の下、不気味なほどの静寂、、、。(2016年夏詠)
カテゴリー: 2016
植ゑられぬままの一枚田水沸く
梅雨が明けると田圃の水は熱せられて、まさに沸いたように熱くなります。掲句の田圃、代掻きまで終わった状態で、なぜかいつまで経っても植えられることが無く、とうとう一年が過ぎました。今年は植えられています。去年は苗が足りなかったのかな、、、?(2016年夏詠)
蚊の出ると思へば腕のかゆくなる
刺されやすい人と刺されにくい人がいるようで、私は刺されにくいほうです。たぶん不味いのでしょうね。とは言うものの、、、。(2016年夏詠)
苔の岩ふれて涼しさもらひけり
きれいに苔むした岩を見るとつい触ってみたくなる。それが梅雨の晴間のビロードのような緑色の声ならなおさらのこと、、、。(2016年夏詠)
水神の祠苔むす滝の道
ちょっと耳にして、こんな所に滝があるのかと入って行った山道。どんどん道は細くなり、車がすれ違うのも困難になって来る。どうやら道を間違えたらしいと思い、車を止め外に出ると水音!剥げかけた看板!そこからさらに細い脇道を入ったところのようだった。やれやれ、あぶなく引き返すところだった、、、。(2016年夏詠)
珈琲の香にゆらぎけり夏暖簾
暖簾のかかる入口の引戸は開けられ、奥へと黒く土間が続いている。そこが一番涼しいと知っているのだろう、入口の脇には犬が寝そべっている。淹れ立てのコーヒーの香に誘われるように風が入って来て、暖簾がゆれる、、、。(2016年夏詠)
やぶ蚊てふ句材一つを連れ歩く
困ったときの藪蚊で、句が詠めない時の助けにはなるのですが、どうにも痒いのには耐えられない、、、。(2016年夏詠)
夢浅し月に目覚めてほととぎす
何だか明るくて目が覚めた。遠くでホトトギスの声がしている。もう朝なんだと起きかけて窓の外を見ると月、、、。(2016年夏詠)
夏霧の窓よりすべり込む山路
句会へと朝の雨上がりの山道を車を走らせる。夏とは言え朝の山路は結構寒い。少しだけ明けた車窓から昨夜の雨が霧となってすべり込んで来る。気持ち良い、、、。(2016年夏詠)
前をゆく百足の足と人の足
昨年の倉敷での句。ふと見ると観光客に紛れるように百足がせっせと足を動かしている。あの足、でたらめに動いているようで、よく見ると順番に整然と動いている。ところでこの足、何番目と何番目というふうに意識して動かすことができるのだろうか、、、?(2016年夏詠)