おや、こんな所に路地が、と店と店の間の細い路地に入ってみる。人一人がやっと通れる程度。すれ違いは出来そうにない。その路地の向こうには横切る人影が見えるから行きどまりではないらしい。上を見るとどの家も二階建てで、その上の空も同じく細い。寒そうな雲が埋め尽くしている、、、。(2019年冬詠)
カテゴリー: 2019
数へ日の休み増えたる裏通り
昨年の倉敷美観地区での句。それでも表通りに出れば人もそこそこ、今年はコロナで人もまばら、、、。(2019年冬詠)
群鳩の羽音掠める冬の空
寒さに縮こまって歩いていると頭上でいきなり羽音の集団、見上げるとすでに通過して小さくなって行く鳩の群が、、、。(2019年冬詠)
壁一枚隔て霜降る音を聴く
寒い夜、、、。(2019年冬詠)
ストーブの煙一日吐き通し
最近時々薪ストーブの煙突を目にします。それ用に薪を積み上げてある所もあります。寒い日のそんなお宅の煙突からモクモクと出る煙、、、。(2019年冬詠)
オリオンを過ぎ音となる飛機灯り
夜空がきれいです。徒歩通勤をしていた頃はオリオンを見ながら帰るのが常でした。今は時々外へ出て夜空を眺めます。オリオンとそれに近づいて行く赤と緑の点滅灯、遅れて加わる飛行音、昔と同じです。感傷に浸りたいところですが寒いのですぐ家に入ります、、、。(2019年冬詠)
代官所井戸の真四角実千両
似たような赤い実が生る木で、上向きに実が付くのが千両、下向きに付くのが万両。千より万のほうが重いから下を向いて実が付く木が万両、なんて覚え方をして完璧と思っていたら似たような実が生る木に藪柑子(ヤブコウジ)があった。掲句の木は倉敷アイビースクエアにある代官所井戸の奥に見つけた赤い実の生った小さな木、藪柑子だったかも知れない、、、。(2019年冬詠)
一陽来復昇る朝日に手を合はす
昨日が冬至、いよいよ今日からは昼間が長くなって行きます。そう思って見る太陽のありがたい事!、、、掲句は昨年の冬至、、、。(2019年冬詠)
宮の柚子一つ頂き冬至の湯
掲句は昨年、「ご自由に・・・」の札付きの箱の中の一個。今年は準備万端、先日所用で田舎に帰ったついでに実家の柚子を採って来ました。自分で柚子を採るなんて何年ぶりの事でしょう。時々触れる刺の痛さも久しぶりでした、、、。(2019年冬詠)
トンネルの入口出口時雨れけり
峠にかかる前から降り出し、そのまま長いトンネルに。長いトンネルだからきっと出る頃には止んでいるだろうと思っていたら、出口もやっぱり雨だった時の句、、、。(2019年冬詠)