白銀の機影音無く冬の空

冬晴れの空の高い位置に飛行機の光る機影が見えます。エンジン音は全く聞こえません。他の季節でもありますが、冬は上空の季節風が強いからでしょうか、他の季節より多いように感じます。反対もありますね。音がするので探しても機影は全く見つからない、、、。(2018年冬詠)

ポン菓子の音のはじける冬の空

匂いをたどって行くと社務所の裏手に。屋根の下に据えてあるのは懐かしいポン菓子を作る(私の田舎ではポンポン菓子)機械です。そばの鍋には匂いの元の豆が煎られています。もうじき弾けるところ、挨拶をしてわくわくしながら待っているとハンマーで一気に、バーン!、、、。豆と一緒に小さなビニール袋に入れて豆撒き用の福豆セットを作るそうです。「昔と違うてこうせんと子供は拾わんのです、食べてみます?」と出来立ての大きな塊を差し出されるので遠慮なく、、、。(2015年冬詠)

見上げれば冬の空ある会議室

工業団地の一角にある勤務先から道を隔てた用地は、入る会社が無くてずいぶん長い間空地のままだった。そちらに面した会議室からは遠くまで見渡せ、四季折々の空が眺められた。会議も丁々発止と議論を戦わすような会議は面白いが、窓を背に陣取った気に食わない上司の一方的な話を聞くだけのような会議も多かった。そういう会議の時は、聴いているような顔をして上司のほうを見つつ、退屈すると視線を少しだけ上げる。するとそこには四季折々の空があるのだった、、、。やがてこの空地にも会社が入り、出来たのは鉄工所で、平屋だがとてつもなく屋根が高い建物だった。おかげで会議室からの眺めは完全に遮られ、私の密かな楽しみは奪われてしまった、、、。(1997年冬詠)