ラグビーのポール突つ立つ夏の果

今年はワールドカップの年、期待しています。掲句は一人、通りがかりに母校の夏休みのグランドを見た時の句。丘の上の母校のグラウンドには人っ子一人見当たらない。その中にラグビーのポールが突っ立っている。もう数日もすれば夏合宿に学生が戻って来るのだろうが、今は、静寂、、、。(2022年秋詠)

瞑りても見ゆる銀河の在りにけり

実家に帰る度に夜空を仰いでみる。星空が見える事もあれば見えない事もある。見えたとしても月あかりがあったりして、なかなか銀河が見える条件にはならない。あるいは衰えた視力のせいかも知れない。仕方がないので眼を瞑る。確かこのあたりと思う夜空を仰いで、、、。(2022年秋詠)

そこらじゆう韮の花咲く墓域かな

今年も先日済ませて来ましたが、毎年恒例の田舎の実家の墓掃除。実家の古い墓地は家のすぐ裏、畑のすぐ傍です。傍の畑から侵入した韮がはびこってそこら中に韮の花、嫌いな花ではないけれど、反省しきり、、、。(2022年秋詠)

足摺の波音混じる踊唄

昨日に続き遠い遠い夏の想い出。ヒッチハイクでの四国一周、この日の宿は岬のユースホステルでした。夜に宿を抜け出して見に行った岬の村の盆踊り、音頭も踊も超スローテンポでした。今思えば、ちょうど穏やかな時の太平洋の波音ぐらいかな、、、。(2022年秋詠)

遠ざかる佞武多の明かり旅の宿

学生時代に旅した下北半島のどこかの町のユースホステルでの夜、開け放った二階の窓の向うに広がる闇の中を遠ざかってゆく一台の佞武多。小さな町の佞武多祭だったのでしょう、見たのはこの一台だけでしたが、遠ざかる明かりの灯ったオレンジ色の像がやけに印象的な佞武多の光景でした、、、。(2022年夏詠)