故郷を離れ家を構えると、そこから新しいお付き合いが始まります。葬式のお手伝いもその一つで、ずい分させてもらいました。土葬の経験こそありませんが、自宅で葬儀のすべてが行われていた頃は大変でした。祭壇や飾り物の準備に一日、当日も受付や駐車場の整理などと一日取られます。葬式の前だったか、後だったか忘れましたが、一人に返って万緑の中に立った時、ふと散骨のことを思いました。まだ父も母も故郷に健在だった頃なので、さして深く考えてのことではありません。その後父を送り、さらに母を送り、そろそろ次を考えても良い頃になりましたが、その選択肢はずい分増えて来ましたね。(2000年夏詠)