大原美術館の本館と分館、その間での句、、、。(2015年夏詠)
月: 2016年7月
おかつぱの頭涼しき若女将
何のお店だったか倉敷えびす商店街の美観地区よりのお店です。シャキシャキ動く若女将の涼しそうなおかっぱ頭だけが印象に残っています。それも後姿、去年の七月、倉敷吟行での句です、、、。(2015年夏詠)
血流の如し朝より遠き蝉
錯覚なのか本当にそうなのか、耳の奥で自分の血流の音が続いているように感じることがあります。ちょうどそんな感じで、同じくらいの周波数で、朝半分ほど目覚めた感覚の奥に、遠くで鳴く蝉の声が聞こえてきます。集団で鳴くにいにい蝉、いよいよ夏本番です、、、。(2015年夏詠)
住み慣れて普通に蛇のゐる暮し
普通より多いかも知れない、、、。(2015年夏詠)
早起きの蝉と目覚を競ひけり
蝉が鳴いています。青田の上に赤とんぼが群れています。数日前から蜩も鳴き始めました。また少し季節が早まった気がします、、、。(2015年夏詠)
明易し踏切の音よく響き
我が家から二軒おいて用水路、その向こうに吉井川の土手があり姫新線の踏切がある。踏切の音は最初大きくて、少し小さくなりしばらくして列車が来る。春夏秋冬変わらないが、夏の朝の踏切の音は軽やかに良く響く、、、。(2014年夏詠)
百日紅残る頼りの叔父一人
新暦では盆です。カレンダーを見ると「ぼん」と書いてあります。「盆」ではなくて「ぼん」です。別のカレンダーを見ると、これもやっぱり「ぼん」でした。百日紅がきれいです。父は一人っ子でしたので、父が亡くなってからは母方の叔父が頼りでした。何かと相談に乗ってもらいましたが、気が付くとその叔父ももう九十歳、月日がたつのは早いものです、、、。(2014年夏詠)
何やらが逃げて青田の水匂ふ
すっかり青田になった県北の田圃、逃げたのはたぶん蛙でしょう。炎天に曝された水が匂ってきます。田圃の土の匂いです。記憶の底に染み付いた懐かしい匂いです、、、。(2000年夏詠)
蝉の声園児の声に負けにけり
今年も蝉の季節になりました。倉敷へ吟行に行くと園児の集団によく出遇います。その賑やかな事!そのたびに保母さんたちの苦労を思いますが、子供は元気なほうが良い、、、。(2015年夏詠)
よその瓜大きく見ゆる散歩かな
やっと我が家の胡瓜も採れるようになりました。と思ったら食べきれないからと沢山の胡瓜を頂きました。こんなものですね。散歩の途中で見る他所の菜園はどこも立派に見えます、、、。(2015年夏詠)