大鯰通る門川濁らせて

門川とは言うものの実は農業用の用水路、音がするので覗いて見ると大きな鯰です。こちらに気づくと途端に勢いよく水を濁らせて逃げて行きます。子供が小さかった頃なら捕まえたりするところですが、今は静かに観察するだけです、、、。(2021年夏詠)

梅雨闇の奥に潜みしものの息

今日は梅雨闇の句です。道の両側の並木に青葉が茂り、足元の夏草が伸び放題になって、普段でも鬱蒼としてきた道。晴れて暑い日には入るとホッとする暗がりですが、雨の暗い日に入ると途端に冷気が襲ってきます。鬱蒼とした草の奥に何かが潜んでこちらをうかがっているような、そんな気さえしてきます、、、。(2021年夏詠)

つま先で突くつんつん梅雨茸

雨が降ると途端に出てきます。不思議ですね。河原に野球ボールより少し小さめの白い球体が等間隔で三個、つついてみましたがまだ堅そうでした。ボンと割れて中から白い煙が、なんて事を期待したのですが、、、。(2021年夏詠)

紫陽花や路地奥にある大師堂

街中の細い路地の入口に紫陽花が咲いている。花にも葉にもたっぷりと貰った水がまだ光っている。歩いて五六歩ほどの路地奥にこじんまりと大師堂が見える。古くはないが手入れの行き届いた良い雰囲気、、、。(2021年夏詠)