早いものですね。もう一週間もすれば稲刈が始まりそうな早稲の田の黄金色、まだ穂の出ていない晩稲の田の緑色、高い位置から眺めるとまるでパッチワークの絵のようです、、、。(2021年秋詠)
月: 2022年8月
庭に来て昨日と同じ赤とんぼ
朝の水やりに出ると庭の同じ場所に同じ赤蜻蛉がとまっている。極端に近づかなければ逃げようともしない。飛び立ってもまた同じところに戻って来る。二日目に見つけた時は偶然と思ったが、三日目になると偶然とは思えなくなる。例によって話しかけたりしているうちに結局一週間ぐらいは居ただろうか。同じ場所に見えなくなった日、探すと少し離れた場所にその姿はあったが、見つかるのを待っていたかのように飛び立つと庭から出て行った、、、。(2021年秋詠)
バジルかと思へば只の秋の草
数年前にも間違えました。植えないものが生える訳が無いですね、、、。(2021年秋詠)
するすると狐の剃雨十日
狐の剃は彼岸花の仲間らしい。彼岸花より薄い色で彼岸花と比べて派手さが無い。それがなぜか数年前から庭の片隅に生えだした。掲句は昨年、降り続いた雨の後に見つけた狐の剃、、、。(2021年秋詠)
庭先の梢に巣箱小鳥来る
車で走っていて見かけた景。庭先に枝打ちをしてスッキリした樫木らしい高い樹が数本並んでをり、巣箱がかけてあるのが見えた。実際はどうか知らないが、そこに小鳥が来ている景を想像すると楽しい、、、。(2021年秋詠)
故郷へいざなふ如し盆とんぼ
子供の頃の事ですが、周囲の大人たちは「赤とんぼ」と言わず「盆とんぼ」と言いました。「ぼんとんぼ」ではなく「ぼにとんぼ」です。この齢になって、なんとなく分かるようになってきました、、、。(2021年秋詠)
父祖父のつひに語らず敗戦忌
終戦記念日です。今となれば聴いておくべきだったと思うのですが、二人とも話したくなかったのでしょうね、、、。(2021年秋詠)
秋出水罪なき水の出す災禍
掲句は昨年ですが今年もまた大きな水害が続いています。地球温暖化のせいでしょうか。だとすれば我々人間に大きな責任があると言うことでしょうね、、、。(2021年秋詠)
とんぼうに話せば顔を傾げけり
さすがに人がいる所ではできないが何にでも話しかけてみる。ほとんど無視されるが、蜻蛉に話しかけると時々顔を傾げる。まるで、「ん?何の事?分からんのだけど?」とでも言っているように見える、、、。(2021年秋詠)
置き去りにされたる気分秋初め
心も身体もいまだ夏のまま。季節だけ秋になって、なんだか取り残された気分。若い時のように焦りは感じないけれど、、、。(2021年秋詠)