腰据ゑて豆選る漢秋日和

農家の広い縁側で男が一人、収穫した豆の選別をしている。笊が三つあるのは、選別前の豆と良い豆と虫食いの豆用だろうか。さして急ぐ様子もなく、男の手はゆっくりと動く。秋の日差があふれている、、、。(2021年秋詠)

日の出でて紅葉濃くなる山路かな

早朝の山道を走るとたいていは霧の中。時間の経過とともにその霧が晴れ、朝日が覗くようになる。カーブを曲がると途端に朝日を受けた木々に出会う事がある。それも紅葉真っ盛りの燃えるように輝く木々。しかしそれも僅かな時間、見とれる暇もなく次のカーブへ、、、。(2021年秋詠)

軒下の籠まんべんに唐辛子

軒下に吊るされた三段の網籠の網を透けて、まんべんに並べられた真っ赤な唐辛子が見えている。去年も見た風景、干された日の記憶はあるが、取り込まれた日は記憶にない。今年も同じ季節がやって来た、、、。(2021年秋詠)