ラジオよりナイター流る紙器工場

通勤途上に倉庫を改造したような小さな紙器工場があった。時々朝早くから親会社のトラックが止まり、裁断したダンボールの束を降ろしているのを眼にしたが、従業員はいつも同じ人を一人見るだけで、他に人声がすることもなかった。裁断されたダンボールを箱に加工するのが仕事らしく、通る度にいつも古びたプレス機の音が単調にカタコンカタコン続いていた。冷房が無いのか夏には窓が開き、夕刻に通りかかるとラジオから、ナイター中継のアナウンサーの興奮した早口の声が、プレス機より大きな音で聞こえて来るのだった、、、。(2000年夏詠)