我が家の門のところから隣家の梅の木が見えます。面倒なのでセールスの方とは出来るだけ門の所で対応するようにしているのですが、この日もそうやって話していた私の目の先のその木に二、三輪の梅の花、思わず声が出てしまいました。「えっ?」「ほら、あそこ!」、何だか本気で聞いていないのが分かったみたいでその後は、、、。(2017年春詠)
タグ: 春
立春の折目正しき寒さかな
掲句は昨年の立春、考えてみれば暖かかった立春など記憶にないですね。今年はまた例年にもましてこれからも寒さが続くようです。皆さまお元気でお過ごしください、、、。(2017年春詠)
娘が吹いて母が追ひかけ石鹸玉
分譲地に新しく建った家の前で、お母さんと女の子がシャボン玉で遊んでいました。よくある景ですが、違うのは追っかけているのがお母さんな事。きっと成長しても姉妹のような母娘になるんだろうと思いました、、、。(2016年夏詠)
行く春の指先欠けし阿弥陀仏
とある寺の、薄暗いお堂の中の阿弥陀仏、よく見ると上げた右手の木製の人差し指の先が小さく欠けている。お寺も、お堂も、仏様も古い。空家の目立つ村の寺では、なかなか修復ともいかないのだろう。お顔のやさしさが心にしみる、、、。(2016年春詠)
風の波茅花の波となつて来し
川土手の斜面が一面茅花に覆われている。その下の河川敷が散歩コースになる。風が吹くとその風が、茅花の靡く波となってこちらに近づいて来る。何んとも心地よい季節、、、。(2016年春詠)
グランドの野球少年雀の子
ただっ広いグランドの向うの隅で少年野球の練習が続いている。絶え間なく続く少年たちの声、それに時たまコーチの大きな声が混じる。こちらは外野の、フェンスの外。フェンス際では雀が、こちらも賑やか、、、。(2016年春詠)
春光に軟体動物這ひし跡
言わずと知れた、ナ、メ、ク、ジ、それも巨大、、、。(2016年春詠)
法然の真筆やさし春燈下
誕生寺の宝物殿に見つけた法然上人の書、真筆とのこと。優しい字が並ぶ、が読めない、、、。(2016年春詠)
千年の齢の藤や根の若し
散歩に行く河川敷の水際に自生している山藤が花をつけ始めました。むせるような濃い匂いが漂っています。水際で登るところがないので地を這っているのが少しかわいそうですが、強いものですね、、、。掲句の藤は倉敷阿智神社の藤、本当は千年も経っていないそうです、、、。(2016年春詠)
花蘇芳一枝百とも二百とも
今を盛りと花蘇芳が咲いている。桜の花の後で余計にその色が目立つ。いったい一枝にいくつ花が付いているのだろうと思った時の句。成長が早い、、、。(2014年春詠)