昔ながらの濃紺で描かれた素麺のラベルの波模様。「やっぱこれだねっ!」と言った感じで、茹でる前から涼しさを感じる、、、。(2021年夏詠)
タグ: 涼し
亀涼し首だけ出して水の中
亀は甲羅干しをするものと思っていたら、石に足をかけて首だけが水の上、甲羅は水の中に浸かっている。まあこれだけ暑ければ、石の上では甲羅の中で蒸し焼きにならないとも限らない。脱ぐわけにもいかず、、、。(2021年夏詠)
水滴を置く水指の涼しさよ
テーブルの中央に置かれたガラス製の水指、植物らしい模様越しにたっぷりと氷を浮かべた水面が見える。その水量を表すように、水面より下の表面には水滴が付いている。見ている間に水滴は成長し、次の水滴を伝うようにして線になって流れた、、、。(2020年夏詠)
息ひとつ後は涼しき顔となる
今日が愛犬「もみじ」の一周忌です。俳人の性で俳句にした何句かを今日から書きます、、、。(2019年夏詠)
植木屋の音で涼しさ作りゆく
植木屋さん忙しそうです。最近は機械の音が多いですが、そうではなく高い木の上でパチリ、パチリと、、、。(2019年夏詠)
一雨の後を涼しく海に立つ
昔は無かった海の日ですね、、、。(2018年夏詠)
涼しさをもらふ町屋の夢二展
冷房の効いた部屋での展示会は夏場の吟行の恰好の逃場になる。なんて言うと受付の方に叱られそうですが、「〇〇展」の文字を見るとつい入ってしまいます。入ってはみたけれど、という〇〇展もありますが、掲句の〇〇展は大当たり。竹久夢二の絵に心まで涼しく、、、。(2017年夏詠)
朝涼し会釈に笑顔添へられて
さすがに日の出る前の朝は涼しい。ついつい足早、となれば良いのですが最近は老犬の歩調に合わせてゆっくり歩いてやります。何人かの人に遇い挨拶をかわしてゆっくり歩いていると、オイオイもう太陽が出て来たよ、、、。(2017年夏詠)
腰かけて尻の涼しき陶の椅子
先日吟行で「むかし下津井回船問屋」へ行ったら陶枕を展示してありました。昔我が実家にもあって、父が涼しいと言って昼寝で使用していたのを思い出しました。人間の知恵ですね。こちらは頭ではなくお尻ですが、これも涼しいのです、、、。(2017年夏詠)
三尺の脚立の上の涼しさよ
そろそろ生垣の剪定を始めます。私の年中行事です。とは言うものの、やはり年を追って負担が大きくなってきた気がします。始めるまでが大変なんです。今日こそ、今日から、と思うばかりでとうとう六月に入ってしまいました。始めてしまえば掲句のような風にも出会えるのですけどね、、、。(2017年夏詠)