冷房の効いた部屋での展示会は夏場の吟行の恰好の逃場になる。なんて言うと受付の方に叱られそうですが、「〇〇展」の文字を見るとつい入ってしまいます。入ってはみたけれど、という〇〇展もありますが、掲句の〇〇展は大当たり。竹久夢二の絵に心まで涼しく、、、。(2017年夏詠)
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朝涼し会釈に笑顔添へられて
さすがに日の出る前の朝は涼しい。ついつい足早、となれば良いのですが最近は老犬の歩調に合わせてゆっくり歩いてやります。何人かの人に遇い挨拶をかわしてゆっくり歩いていると、オイオイもう太陽が出て来たよ、、、。(2017年夏詠)
腰かけて尻の涼しき陶の椅子
先日吟行で「むかし下津井回船問屋」へ行ったら陶枕を展示してありました。昔我が実家にもあって、父が涼しいと言って昼寝で使用していたのを思い出しました。人間の知恵ですね。こちらは頭ではなくお尻ですが、これも涼しいのです、、、。(2017年夏詠)
三尺の脚立の上の涼しさよ
そろそろ生垣の剪定を始めます。私の年中行事です。とは言うものの、やはり年を追って負担が大きくなってきた気がします。始めるまでが大変なんです。今日こそ、今日から、と思うばかりでとうとう六月に入ってしまいました。始めてしまえば掲句のような風にも出会えるのですけどね、、、。(2017年夏詠)
涼しさや夏満月の網戸越し
部屋の明かりを消すと網戸の向うに満月が見える。扇風機は使うがエアコンまでは必要ありません。網戸で寝られる贅沢な環境、ありがたいと思います、、、。(2016年夏詠)
苔の岩ふれて涼しさもらひけり
きれいに苔むした岩を見るとつい触ってみたくなる。それが梅雨の晴間のビロードのような緑色の声ならなおさらのこと、、、。(2016年夏詠)
山門の仁王涼しくおはします
もろ肌を脱いだ仁王様が、なんだか涼しく見えた。暑い日でした、、、。ちなみに「諸肌脱」は夏の季語です、、、。(2016年夏詠)
おかつぱの頭涼しき若女将
何のお店だったか倉敷えびす商店街の美観地区よりのお店です。シャキシャキ動く若女将の涼しそうなおかっぱ頭だけが印象に残っています。それも後姿、去年の七月、倉敷吟行での句です、、、。(2015年夏詠)
切目なき手水の音の涼しさよ
涼しさを感じるものに水音があります。掲句は阿智神社の手水の水音です。いつも程よい音でちょろちょろと流れています。信心深いわけではありませんが、貼ってある手水の使い方の案内に従って、、、。(2015年夏詠)
涼しさに翼ひらいて朝の鳩
別に涼しいから飛んでいる訳じゃあありませんよ、と言われそう、、、。(2012年夏詠)