面影のあらで色なき風の駅

掲句、昨年の秋、久しぶりに駅に行くと工事中で、以前とはまるで違っていた。工事用の仕切りに囲まれた一画、以前は何か建物があったような記憶があるが、それが何だったか思い出せない。広い空間にポツンと置かれたベンチに腰かけてしばらく風に吹かれてみた、、、。(2016年秋詠)

唐辛子辛さを色で売りにけり

北へ十五分も走れば奥津湖があります。その湖畔の高台にある休憩所「みずの郷 奥津湖」、名産の唐辛子や唐辛子を使ったお土産がたくさん並んでいます。時季が合えば、戸外にたくさんの唐辛子が干されている光景も見ることが出来ます。赤、黄、緑と三色に分けて干されているのですが、それを見てもやっぱり赤いのが一番辛そうに見えます、、、。(2016年秋詠)

鳥の毛の混じりて庭の野分あと

さしたる被害もなく、台風一過の青い空の下で、落葉や飛んできたゴミを片付けていると、必ずと言っていいほど、鳥の羽毛が混じっています。元から落ちていたものが飛んできたのか、はたまた風を受けてじっと耐えていた鳥から抜け落ちたものなのかわかりませんが、まあそんな事が気になるほど被害が無いという事ですね。ありがたい事です、、、。(2016年秋詠)