あまりの暖かさに時々蛙の声が聞こえてきます。今年は早いですね。掲句は昨年の初蛙、冬眠の間に脂肪を使い果たしたのかやせっぽちでした。私が掘り出したわけではありませんよ。念のため、、、。(2022年春詠)
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柄杓にて蛙汲み出す甕の底
雨水受けに置いている甕、水は日々の水やりで使います。なぜか蛙がよく入ります。水と一緒に汲み出そうとするのですが、器用に柄杓を避けて泳ぎ回ります。それもこれまで、さすがに水面が下がり、水が少なくなるとこちらの勝ちになります、、、。(2021年春詠)
雨風に声が声呼ぶ蛙かな
一匹が鳴きだすとあっちでもこっちでも、、、。(2020年春詠)
店の戸に「蛙の卵あります」と
通りがかりに見かけた県北の小さな街のよろず屋風のお店の入口の貼紙、、、???。(2020年春詠)
住みつきし蛙どかせる柄杓かな
水遣り用のバケツ、使おうとすると残り水の中に蛙が、、、。(2020年春詠)
土掘れば迷惑さうな蛙の眼
生えて来た雑草を取りたかっただけで、全く悪気は無かったのです。慌てて土ごと埋め戻しましたが、さてあの蛙、その後どうなったか、、、。(2018年春詠)
水ありて命湧きけり蛙鳴く
川の流れが分岐して土手のすぐ下に細い流れが出来ている。細いけれど流れは豊か、軽やかな音を立てて流れている。春になるとその音に蛙の声が加わる。鳴いている位置が良いのだろうか、ケロロケロロと水音に負けないぐらい軽やかな声、、、。(2017年春詠)
俳人の歩みは遅々と蛙鳴く
吟行にちょうど良い季節ですね、、、。(2016年春詠)
鳥の声やめば蛙が雨来ると
天気予報は晴れですが、今日は穀雨です。雨は良い事もあれば悪い事もあります。地震の後の壊れた屋根を雨に備えてブルーシートで覆う作業を見たりすると、つくづくと屋根のある暮らしをありがたく思います。何か自然に人間が試されているような気さえしてきます、、、。(2015年春詠)
近寄れば鎌はごめんと蛙鳴く
活発に動くにはまだ気温が低いのだろう、蛙はまだ草の根元でじっとしていることが多い。土手の菜の花が育ちすぎて圧迫されそうなので、少し整理しようと鎌を進めるとなにやら悲鳴のような声がする。刈った菜の花を掻き分けると小さな蛙が出てきた。おいおい大丈夫か、とひっくり返してみたがどこにも傷はない。ああ良かった、と元に戻すとのそのそと四肢を使って菜の花の間へ隠れて行った。動きは遅い。草刈はもう少し待って、ということだろう、、、。(2014年春詠)