柄杓にて蛙汲み出す甕の底

雨水受けに置いている甕、水は日々の水やりで使います。なぜか蛙がよく入ります。水と一緒に汲み出そうとするのですが、器用に柄杓を避けて泳ぎ回ります。それもこれまで、さすがに水面が下がり、水が少なくなるとこちらの勝ちになります、、、。(2021年春詠)

水ありて命湧きけり蛙鳴く

川の流れが分岐して土手のすぐ下に細い流れが出来ている。細いけれど流れは豊か、軽やかな音を立てて流れている。春になるとその音に蛙の声が加わる。鳴いている位置が良いのだろうか、ケロロケロロと水音に負けないぐらい軽やかな声、、、。(2017年春詠)

鳥の声やめば蛙が雨来ると

天気予報は晴れですが、今日は穀雨です。雨は良い事もあれば悪い事もあります。地震の後の壊れた屋根を雨に備えてブルーシートで覆う作業を見たりすると、つくづくと屋根のある暮らしをありがたく思います。何か自然に人間が試されているような気さえしてきます、、、。(2015年春詠)

近寄れば鎌はごめんと蛙鳴く

活発に動くにはまだ気温が低いのだろう、蛙はまだ草の根元でじっとしていることが多い。土手の菜の花が育ちすぎて圧迫されそうなので、少し整理しようと鎌を進めるとなにやら悲鳴のような声がする。刈った菜の花を掻き分けると小さな蛙が出てきた。おいおい大丈夫か、とひっくり返してみたがどこにも傷はない。ああ良かった、と元に戻すとのそのそと四肢を使って菜の花の間へ隠れて行った。動きは遅い。草刈はもう少し待って、ということだろう、、、。(2014年春詠)

蛙出てたちまち雨を告げはじむ

いきなり鳴きだして、「おっ!蛙だ!」と思うだけで、本当はもっと前に冬眠から起き出しているのだろう。何はともあれ、そろそろ草刈を始めなければと鎌を研いでいると、「ここに居るぞ」とばかりに大きな声がする。蛙が鳴くと雨とは言うが、当たるも八卦当たらぬも八卦、ぐらいが楽しい。ヤン坊マー坊の天気予報は終わってしまったが、こちらはいつまでも続くだろう、、、。(2013年春詠)