いつ誰が植えたものか分からないが、会社の植え込みの中にウチワサボテンがひっそりと生えていた。生えているのは知っていたが、目立つわけでもなく、増えているようにも思えないぐらいのものだった。夏のある朝出勤すると、そのサボテンに花が咲いていた。今までも咲くことはあったのだろうが、気付いたのは初めてだった。それぐらい控えめな黄色をしていた。なぜだかその前日の、退社する時に鍵をかけながら同じ場所で眺めた、月の色を思った、、、。(2011年夏詠)
渡辺牛二の俳句ワールド
いつ誰が植えたものか分からないが、会社の植え込みの中にウチワサボテンがひっそりと生えていた。生えているのは知っていたが、目立つわけでもなく、増えているようにも思えないぐらいのものだった。夏のある朝出勤すると、そのサボテンに花が咲いていた。今までも咲くことはあったのだろうが、気付いたのは初めてだった。それぐらい控えめな黄色をしていた。なぜだかその前日の、退社する時に鍵をかけながら同じ場所で眺めた、月の色を思った、、、。(2011年夏詠)