河川の改修は水量が少なく安定している冬に行うのが相場のようだ。で、その河普請用の道を川幅の三分の二ぐらいまで作る工事が始まった頃の句。長くなるので端折って書くと、その後川の流れを付け替える工事があって、その元の流れがあった川向うに仮設の土手が作られた。その後この仮説の道はきれいに撤去された。ここまでが昨年、どうやら本来の土手を改修するらしく、今年はその為の迂回路をつくる工事が川向うの稲作の終わった田圃の中で始まっている。先は長いぞ、、、。(2023年冬詠)
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一通は喪中の葉書夕時雨
ポロリポロリと来る喪中の葉書、最近は知り合い本人の喪中を知らせるものが混じるようになった。それに加えて年賀状仕舞の葉書、これも寂しいが葉書の値段も上がったしなあ、と私も思案中です、、、。(2023年冬詠)
膝に来て猫温かし冬はじめ
猫も心地よいのだろうが、こちらも程よい温さが心地よい。新しく来た猫が慣れて膝に乗りだした頃の昨年の句。今ではすっかり慣れて生意気に、、、。(2023年冬詠)
一夜にて一木一草皆冬に
立冬です。掲句は昨年、急に寒くなった冬だったのでしょうか。記憶はすでにオボロ、、、。(2023年冬詠)
節分の鬼の出て来る自動ドア
偶然とは面白い。交差点で止まり、見るとは無しに目を向けた洒落たビルの正面の自動ドアが開き、いきなり大きな金棒を持った赤鬼が出てきた。次にお多福、続いて神職らしい烏帽子の男性と続く。三人は揃うと何やら話し合って、今度は隣のビルへと入って行った、、、。昔、鬼になって家々を回る、神社の節分のアルバイトがあると聞いた事がある。どうやらそれらしい、、、。(2023年冬詠)
柊の挿しあり古き門構へ
通りがかった路地に面した勝手口、何かな?と思って近づいてみると、柊の小枝と小さな鰯の頭。ぐるりと門の方に回るとこちらにも同じように挿してある。柊と鰯、セットで販売されているのかな、こじんまりとしたサイズが揃っている、、、。(2023年冬詠)
クリスマスローズに花芽冬日濃し
今日から二月。庭のクリスマスローズの花芽がぶっくりと今にも開きそう。一月が暖かかったせいで我が家としては例年より少し早い。新しい株もいくつか。どんな花が咲くのか楽しみ。掲句は昨年、、、。(2023年冬詠)
春近きこと野の鳥の羽ばたきに
なんだかんだ言っているうちに一月も最終日。もうすぐ春です。散歩途中で出会う鳥たちの逃げる羽音にも勢いが、、、。(2023年冬詠)
寒靄の山浮かせたる遠景色
近くの景色は靄の中、その上に遠くの山が浮かんでいるように見える。近年雲海の上の山城が話題になる事が多いが、それの盆地版と言ったところか、、、。(2023年冬詠)
嘴を研ぎ一声を寒鴉
何か食べた後か、枯木の上で鴉が一羽枝に嘴をこすりつけている。しきりに何度もやっているので、何だろうと見ていると気づいた鴉がカアと一声、さっさと飛んで行ってしまった、、、。(2023年冬詠)