(2013年夏詠)
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クロールの顔上ぐる度夏の雲
昔の田舎の小学校にはプールなんてものは無く、泳ぐのは川に限られていた。だから水泳が許可されるのは、梅雨が明けて水温が上がって来る、ほとんど夏休みに近い頃だった。我慢できずに泳ごうものなら、なぜだか必ず学校に知られて、こっぴどく叱られたものだった。今は六月になると水泳の授業が始まるからだろう、私が通っている市民プールにも、休日には急に子どもの数が増えてくる。おかげでこちらは泳ぐのもままならない状態になって来る。それに比べると、平日のプールのなんと穏やかなこと、中央のコースを独り占めにしてゆったりと泳いでいると、ちょうど顔を上げた目線の先に育ち始めた峰雲が見えるのである、、、。(2013年夏詠)