レストランの窓際の席からは、道路を挟んで、進学塾のある小さなビルが見えた。一階はすでに灯りが落され、端っこに狭い二階への階段が口を開けていた。周辺には所狭しと自転車が止めてある。二階の開け放った窓には、煌々と灯る灯りの中で、机に向かう生徒たちの頭が並んでいた。時折教師らしい男の姿が現れ、後ろ向きに窓にもたれかかるような姿勢をし、しばらくするとまた明りの中へ消えて行くのだった。(1999年秋詠)
渡辺牛二の俳句ワールド
レストランの窓際の席からは、道路を挟んで、進学塾のある小さなビルが見えた。一階はすでに灯りが落され、端っこに狭い二階への階段が口を開けていた。周辺には所狭しと自転車が止めてある。二階の開け放った窓には、煌々と灯る灯りの中で、机に向かう生徒たちの頭が並んでいた。時折教師らしい男の姿が現れ、後ろ向きに窓にもたれかかるような姿勢をし、しばらくするとまた明りの中へ消えて行くのだった。(1999年秋詠)