二ン月の田を見る漢手に煙草

近所の農家の方。煙草片手に田を向いてたったまま、何やら思案中のようす。一年分を思いめぐらせておられるのでしょう。始まれば苦労の連続でしょう。今が一番良い時かな。と、素人は考えたりします、、、。(2022年春詠)

川土手にする立話風光る

しばらく会わなかった自転車を押して一駅を歩く人に、散歩途中の土手で出会い、しばらくの立話。聞くとまた新しい仕事を始められたとか。それでここを通る時間帯も変わりましたと。退職以来休日の私、頭が下がります。写真を撮ってくださいと渡されたのはスマホ、逢わないうちにこちらも進歩、、、。(2022年春詠)

赤き実の樹に鈴なりの春の鵯

今年は少し早いような気がします。庭のクロガネモチの赤い実を食べに集団で来る鵯、三日ほどで全てを食べつくします。人影を見ると一斉に飛立ち、また少しすると一羽、また一羽と戻ってきます。我が家の庭の春先の年中行事です。後は糞だらけ、一雨降るまで手が付けられません。これが終わると、次は春落葉が始まります、、、。(2022年春詠)

浅春の風に棹打つ旗の紐

近くの神社の屋根より高い立派な金属の旗竿、いつも国旗が掲揚されています。風が強いとその旗の紐が竿を打つ音がカンカンと響いて、まるで「たまには上を見ろ!」と言わんばかりの音に聞こえます、、、。(2022年春詠)

如月の霜と拮抗したる日と

朝は一面霜で真っ白、肌を突き刺すような寒さを感じますが、太陽が昇ると途端に空気が柔らかくなって、身体の力が抜けて来るような気がします。そのちょうど真ん中あたりで詠んだ昨年の句、、、。(2022年春詠)