山の中のお寺の池、鳥の声はあるが静か、、、。(2021年夏詠)
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杜若木洩れ日のゆれ風のゆれ
昨年書いた作楽神社の杜若が今年は全滅状態だった。多くは語られなかったが、毎年世話をされ株を増やされてきたOさんの、その悔しそうな顔つきからおおよその想像はできた。あれだけの株が一度に枯れてしまう原因は、一つをおいて他にはあるまい。見に来られた方へお茶の接待をされるテントには、見事に咲いた昨年の写真と一緒にお詫びの言葉が添えられていた。掲句、残った株を洗って植え替えたという池の縁の二株、木洩れ日が揺れる中でひっそりと咲いていた。「見られました?きれいだったでしょう」、Oさんの先ほどとは違う笑顔が印象的だった。私もこれはこれで俳人の心をくすぐるには十分な二株だと思った。また一から始められるのだろう、昨年の状態に戻るのに何年かかるのだろう、、、。(2013年夏詠)