小さな食堂を見つけて入った。入口も狭く、中も十人も入れないような広さだが、小奇麗で明るい。客は無く、そこそこ年配の夫婦が慌てて持ち場に散った。シェフは奥様、主人がウエイター、そんな洋風のお店で、黒板の手書きメニューから煮魚定食を頼んだ、、、。句会まで時間も無いので、俳句手帖をとりだして句稿の整理を始めると、ほどなく後から声がかかった。見ると上品そうな老婦人だった。「俳句ですか?」「ええ、午後から句会なんです」「まあ、いいですねえ」「俳句、されるんですか?」「ええ、私も明日吟行が、」から始まって、煮魚定食が出てきても話は続いた、、、。結局、句会への準備は出来ず仕舞だったが、この次もあの食堂へ行ってみようと思う、、、。(2013年春詠)