通勤途上のお宅、家の横を水量豊かな門川が流れ、柿の木の下に紫蘭が咲いている。庭先には洗ったばかりの黒い苗箱が積み上げられ、滴る水滴が朝日に光っている。家を離れてからはそれこそ年に数回帰るだけで、ましてや田植に帰った記憶はほとんどない。こういう風景を眼にする度に、また今年も時機を逸したと親不孝を後悔するのだったが、今となってはそれさえも叶わない。(2001年夏詠)
渡辺牛二の俳句ワールド
通勤途上のお宅、家の横を水量豊かな門川が流れ、柿の木の下に紫蘭が咲いている。庭先には洗ったばかりの黒い苗箱が積み上げられ、滴る水滴が朝日に光っている。家を離れてからはそれこそ年に数回帰るだけで、ましてや田植に帰った記憶はほとんどない。こういう風景を眼にする度に、また今年も時機を逸したと親不孝を後悔するのだったが、今となってはそれさえも叶わない。(2001年夏詠)