イチジクやら柿やらの木、冬の間に来年に向けて枝を整理してやります。大きな切り口には薬を塗って保護してやります。それ用の薬も売っているのですが、木工用のボンドでも大丈夫らしいです、、、。(2017年冬詠)
短日の影長くして夕散歩
いよいよ日が短くなって来ました。冬至までもう少しです。年老いて愛犬「もみじ」の足が遅くなってしまいました。歩いているうちに日が落ちてしまうのです、、、。(2017年冬詠)
霜晴の一番高き墓に鳶
田舎だからちょっと歩くと墓地に出会います。我が家からも墓地が見えます。そんな墓地の一つです。大きな墓地ではありませんが、それでも十軒分ぐらいよりは多いでしょうか。中央部分が丘のように少し高くなっています。霜晴のまだ朝日の出る前の張りつめた空気の中、その高い位置の一番高い墓の上に鳶が一羽、それだけの事です、、、。(2017年冬詠)
寒椿つぼむ先よりほのと紅
我が家の椿、今年もたくさんのつぼみを付けています。去年はずいぶん早くから咲きましたが今年は遅いようです。硬いつぼみの中に一つだけ先に赤みを帯びたものが、、、。(2017年冬詠)
犬つれし人も墨絵に冬の霧
県北の冬の朝は深い霧に包まれていることが多い。おまけに寒いのだから敵わない。ひどい時はそれがお昼ごろまで続いてしまう。それでも冬の初めの頃はまだ掲句のように詠もうとする余裕があるが、、、。(2017年冬詠)
冱つる夜の庭に四つ足歩く音
夜中の庭に何だか怪しい足音、狐か狸かあるいはヌートリアか。我が家の老犬どもは眠ってばかり、、、。(2017年冬詠)
夕日中葉までも紅き実南天
単にそういう種類の南天なのかも知れません。いや、もしかしたら霜焼けの手のように、寒さで葉っぱまで紅くなったのかも知れない、なんて思った寒い夕暮れの中での句です、、、。(2017年冬詠)
自転車も人も老いたり着ぶくれて
近所の女性から「自転車の小父さん」と呼ばれるようになって久しい強面の小父さん。自転車の後に雨傘、頭には鳥打帽、黒の革ジャンパー、臙脂色のズボンのが定番のスタイルで、黙々と自転車を漕いで仕事(たぶん)に向かう。帰りには自転車の前かごに数点の買物を入れて、やはり同じように黙々と自転車を漕いで、、、。その小父さんを久しぶりに見かけた時の句。革ジャンがダウンの防寒着に変わり、自転車が漕ぐ度にガシャコン、ガシャコンと音を立てていた。強面に変わりはないが、心なしか年老いて見えた、、、。(2017年冬詠)
一羽二羽一羽三羽とかいつぶり
暖冬のせいでしょうか今年は水鳥の数が少ないような気がします。掲句は昨年、昨年は多かったです。かいつぶりも三羽どころかもっと多かったのですが、何しろ浮いたり潜ったりで、、、。(2017年冬詠)
十二月八日レノン忌開戦日
太平洋戦争の開戦が1941年12月8日、ジョン・レノンが亡くなったのが1980年12月8日です。私が俳句を始めたのが1997年ですが、その頃目にした地域の機関誌に「十二月八日を知らぬ子の多し」という俳句が載っていました。「んっ?12月8日?」と思って歳時記を調べて知ったのが「十二月八日、開戦日」の季語でした。実にその歳になるまで、12月8日を意識した事は無かったのです。平和ボケの戦争を知らぬ子の一人だったのです、、、。レノン忌はまだ歳時記に載っていないようです、、、。(2017年冬詠)