去年は八月からモズの声が聞こえていたのに、今年はどうしたのだろう?と心配していたのですが、やっと聞こえてきました。鋭く鳴くのはもう少し先かな、、、?(2017年秋詠)
するすると伸びて走の彼岸花
見ている間に伸びることなどありませんが、何となくそんな気がする咲き始めの彼岸花。今年も彼岸花の季節になりました、、、。(2017年秋詠)
水澄んで鷺は己と対峙する
本当は水の中の獲物を見ているのでしょうが、ついこんな風に考えてみました、、、。(2017年秋詠)
健診のいつもどこかが豊の秋
今年も年一回の健診に行ってきました。速報値の範囲では「多少高めの所もありますが、まあこれなら問題無いでしょう」との返事、また一年健康に気を付けます、、、。(2017年秋詠)
見つかりて呼び止められて秋暑し
今日は出会いたくなかったなあと思う人に見つかって、当然のように呼び止められて、しかたなく長話に相槌を打って、、、。(2017年秋詠)
老人に添ひて白犬秋深し
角を曲がったところでいきなり自転車の女性に連れられた白犬と出会った。あやうくぶつかるところだった。「ごめんなさい」と言いながらよく見ると、何だか見たことがあるような犬。いつも老人と一緒だった白犬に似ている。「もしかして、以前おじいさんと散歩していた犬ですか?」「ええ、今年の1月ぐらいまではそうだったのですが、身体を壊して、、、。今は入院しているんです。それで私が・・・。」「そうですか、よく見かけていたのに、どうされたのかと思っていました。」心なしか白犬も以前より細くなって見えた、、、。(2017年秋詠)
腕折りて眠る重機や葛の花
小学生の頃、我が家には何匹も兎がいた。学校から帰ってその餌を採りに行くのが子供の仕事で、春から秋までせっせと葛の葉を採った。葛は栄養があって、美味しいのだろう、兎に限らず牛も山羊も好んで食べた。葛はいくら採っても採り尽くすことが無い。強すぎて、最近では兎もいないので負けてばかり、、、。(2017年秋詠)
水澄んでダム湖の底に天と地と
国道429号線を走って県南へ行くのに唯一残っている難所が旭川ダム沿いの山道です。カーブミラーを頼りにくねくねとハンドルを切ります。バイパス工事は始まっているのですが何年も経つのにいまだ開通には至っていません。が、そのおかげでこんな句も、、、。(2017年秋詠)
移りても鳴く他は無し法師蝉
さすがに蝉の声も減って来ました。木を移っては鳴くツクツクボウシの声にもかつての勢いは無くなりましたが、それでも鳴くより他に術は無く、、、。(2017年秋詠)
秋日濃し絵図と比べる干拓地
早島公園の山上に絵図が設置されている。絵図には今一望している場所の干拓が始まった頃の様子が描いてある。ようするに見えている場所のほとんどが、かつては海の底だったようだ。遠い昔に想いを馳せる、ここが海だったとは、、、。(2017年秋詠)