狐火の一つ煙草の火にしたし

面白いですね。歳時記にはこんなものまで季語として載っています。狐火、いわゆる火の玉です。見た事があるかと言うと、ありませんが、ちょっと強がってこんな句にしてみました。煙草は止めて二十年が過ぎました。そろそろ健康への影響が無くなった頃ですね、、、。(2014年冬詠)

枯芝にロダンの像と師と影と

大原美術館の分館前にあるロダンの「歩く人」です。この像に頭と手足を付けて完成したのが「説教する聖ヨハネ」とのことですが、以外と大きい。というかたくましい、、、。枯芝に日差しがあふれ、そこに句作に集中している我が師とロダンの像のそれぞれの影が、、、。(2013年冬詠)

軽トラに猪の転がる杣の道

句会への道すがら、ちょっと寄り道をしているうちに細い山道に入ってしまいました。その細い道路脇に寄せて止められた軽トラックが一台、人の気配は無く、前面には古びたシルバーマークがついています。何とか通れないことは無いかとスピードを落として、すれ違おうとして驚きました。荷台に転がっていたのは猪です。見間違いかと思い、バックして確かめましたが、確かに猪でした。それも巨大な、、、。(2014年冬詠)

トラックの北国なまり屋根に雪

掲句は道の駅での景です、、、。仕事をしていた頃いつも入ってくるトラックに東北ナンバーの車がありました。一目で分かる、少しだけデコレーションを施した、派手なトラックでした。運転手のほうは反対に寡黙で、ほとんど話をすることはありませんでしたが、話せば東北なまりで訥々と、、、。退職前のちょうど今頃だったでしょうか、業務の引継ぎで四国の工場へ行っていて、そこへ入って来たのがそのトラックでした。まさかこんな所で会うとはと驚きましたが、それでもその時は懐かしくて、お互いにずいぶん喋りました。東北なまりと岡山なまりで、、、。(2014年冬詠)

電線に孤高の一羽雪降る夜

昨年の雪の夜の景です、、、。天気予報では今日は雪、この冬最大、数十年に一度の大寒波とか、、、。暖冬と思っていたらいつの間にか普通の冬に戻ってしまいましたね。道端にはまだ先日の雪が残っていますよ、、、。(2014年冬詠)

饅頭屋あるじも客もマスクして

倉敷美観地区の近くの商店街にある「えびす饅頭」、通るといつも良い匂がして食欲をそそられます。昔ながらの懐かしい饅頭、私の田舎では「ふうまん」と言っていました。津山では「横綱饅頭」、一般的には「大判焼き」「今川焼き」と言ったところでしょうか、、、。(2014年冬詠)

葉の紅は耐ふる色とも冬薔薇

甘くは無かったですね。寒くなりました。昨日は一日中雪が舞っていました。積もるほどではありませんでしたが、軟弱ですので迷わずコタツの中へ、、、。掲句は我家の庭の昨年の冬薔薇です。寒さに耐えながら咲いている冬の薔薇は凛とした美しさがあります。でも、そんな薔薇の葉に目をやると、しもやけの手のように紅くなって、、、。(2014年冬詠)