大青田干されて土のにほひかな

あれ!もう土用干しか!と思ったのは五日前。今年の梅雨明けはずいぶん早かった。それも関係しているのか、もう田圃の土用干しが始まっている。先日まで覗くとオタマジャクシが右往左往していた田圃に水が無く、幾筋も割れ目ができて、土のにおいがしてくる。この時期に水を抜いて干してやると稲の根が張って丈夫に育つそうだ。少しは苦労したほうが良いのは人間と同じか、、、。(2024年夏詠)

音がして青田にひよいと鷺の首

田圃のそばを歩いていると遠くで何かがぶつかったような大きな音、とたんに田圃の中から鷺の首がひょいと出てきた。鷺も驚いたのだろう音がしたほうへ顔をむけて、そのあとで私に気づいたようだった。私は音よりも鷺の首に驚いた、、、。(2023年夏詠)

ひび割れの奥に地の闇青田干す

ちょうど青田になった頃、根をしっかりさせる為に一度水を抜いて田を乾かす。昔はもっと遅かった気がするが、今の稲作は田植から収穫まで四か月、今が干し時のようだ。水が引いて太いひび割れが出来、土の匂いがしてくる。しばらく乾かした後に、いつの間にかまた水が入れられている、、、。(2017年夏詠)

植田から青田へ雨の五日かな

<早苗籠>-10 去年は田圃が植田から青田へ変わる頃に雨が多く何日も散歩に出られない日が続きました。やっと晴れて出かけると、田圃はもう青々として青田の様相を見せていたのです。早いものですね、、、。これで早苗籠の十句終了です、、、。(2017年夏詠)