茶の花やころがりさうに坂の道

棚田沿いに急な坂道が続いている。表面はコンクリート舗装、一応すべり止めの刷毛跡が付けてあるが、年数が経って表面はざらざらになっている。上りはまだ良いが下りが危ない。必要以上に足に力が入ってしまう。一息には無理で、ちょっと一休みと腰を伸ばして道端を見ると茶の花が咲いていた。目立たない花、、、。(2017年冬詠)

切目なく銀杏黄葉の降る日かな

銀杏は木によって黄葉にも落葉にもずいぶん差があります。先日誕生寺まで見に行きましたが、法然上人の植えたという大銀杏はまだ沢山の銀杏をつけて落葉が始まったばかり、その傍の若い銀杏は黄葉の盛り、少し離れた大仏の傍の銀杏はすでに落葉を終えていました。同じ寺域にあるのに三者三様、面白いものです、、、。(2017年冬詠)

自転車で通る異国語夕時雨

毎日我が家の横を自転車で通る三人の若者、話している言葉は分からないけれど顔はアジア系の、今話題の技能実習生だろう。出会えば片言の日本語で挨拶してくれる。見た目は決して十分な生活をしているとは思えない、むしろ低賃金で我慢して我慢して働いているのだろう。たぶん、と思える彼らが働いている事業所には3年間もの研修が必要とは思えない。三人で自転車で雨の中を傘もささずにしゃべりながら家路を急いでいる、、、。(2017年冬詠)

日翳れば光あるごと石蕗の花

石蕗の花がきれいです。どなたが植えられたのか、散歩に行く土手の桜並木の木の根元に、多くは無いのですが可憐な花をつけています。この時季では一番好きな花です。だからでしょうか、ついつい同じようなシチュエーションの句を詠んでしまいます、、、。(2017年冬詠)