昨日、今日と昨年4月26日の句、という事はやはり今年は少し早かったということ。倉敷美観地区にての句、、、。(2019年春詠)
投稿者: 牛二
パトカーの後走りて飛花落花
山道に差し掛かる手前でパトカーの後に付いた。赤色灯に先導されるようにして山道のカーブを曲がると、大きく張り出した桜の木の下へ。桜はちょうど落花の真っ最中、赤色灯に誘われるように花びらが舞う。その中をゆっくりとパトカーに続いて走って行く。パトカーの後もたまにはいいもんだと思った昨年の句。峠までしばらくはこんな道が続いた、、、。(2019年春詠)
孕みたる風を形に鯉幟
川一つ越えたところに鯉幟が上がっています。昔はどこにでも見られた風景ですが、最近はずいぶん少なくなりました。子供が少ないばかりの理由ではないですね、、、。(2019年春詠)
晩春の祢宜装束の薄緑
なんて言う色かな、薄緑でいいのだろうか、そんな事を思いながら眺めた境内を掃除する祢宜の着物の色。日本古来の物だろうから、色にも何かふさわしい呼び名があるのかも知れない、、、。(2019年春詠)
山を背に一村一寺田水張る
田水張るは夏の季語ですが、山間部では桜の頃から田植の準備が始まります。掲句は昨年、凱旋桜を見ての帰り道での句、、、。(2019年春詠)
惜春や雨降り止めば草抜かな
コロナウイルスによる緊急事態宣言のせいで、とうとうプールがお休みになってしまいました。滞りがちな庭の手入れを休みの間に済ませてしまおうと、思ってはいるのですが、さてどうなる事やら。掲句は昨年、今年も雑草は元気そのもの、、、。(2019年春詠)
目の前に降りて子雀虫つつく
おいおい、人間だからいいけど危ないよ、、、。(2019年春詠)
木を切つてをれば虻来て覗き込む
「何やってるんだよ、私の縄張で」と言わんばかりにやって来て、、、。(2019年春詠)
晩春やダムのゲートの閉じしまま
晩春の日差の中でダムのゲートから吐き出される水の白い輝きが見たくて出掛けたのですが、ゲートは閉ざされたまま、晩春の長閑さだけがあった去年の句です。今日は穀雨、、、。(2019年春詠)
山吹や裏窓越しに鍋薬缶
道路沿いの生垣に山吹が咲いているお家がある。南向きの家の裏側を道路が通っている形になり、生垣の向うに台所の出窓が見える。母娘二人暮らし、窓辺に置かれた鍋や薬缶の影、くもりガラスの向うにその質素な暮らしぶりが見える、、、。(2019年春詠)