つきさうでつかぬ川面の夏柳

掲句は西川緑道公園の夏柳、倉敷美観地区の柳は年に何度か剪定されて夏もすっきりした姿を見せているが、こちらはそうではない。長く枝垂れた枝の先が今にも流れに浸かりそう。でも浸かっていない。これはこれで風情がある。幽霊が出るとすれば美観地区の柳よりこちらだろう。もう少し季節が進めば浸かった枝先も見える、、、。(2015年夏詠)

薔薇の庭覗いてをれば鶏の声

オープンガーデンとして薔薇の庭を開放されているお宅を見つけて行った時の事です。薔薇も見事だったのですが、鶏小屋に居た烏骨鶏も立派でした。オープンガーデンは奥様が主人公で、ご主人がそのお手伝いをしていると言ったスタイルをとっているお宅がほとんどです。それでいて実はご主人が自分の趣味で自己主張をされている場合が結構あります。それがここのご主人の場合は烏骨鶏、、、。(2015年夏詠)

何もなき橋の袂の立葵

近くの何でもない普通の橋の袂に毎年数本の立葵が咲きます。たぶん最初は近所の方が邪魔になる立葵を持ってきて捨てたのだろうと思います。それが毎年毎年育っては花をつけます。立葵は強いですね。何でもない橋の袂の毎年の楽しみな景です、、、。(2015年夏詠)

かなぶんの瑠璃の背急に開き発つ

また古い句です。散歩の途中で見つけた綺麗な黄金虫、観察途中に突然、、、。黄金虫は逃げましたが、代わりにこの句が残ったのです。この句は出来た場所もきちんと覚えています。GPSぐらいに正確に、、、。(1998年夏詠)

たつぷりと水出るトイレ梅雨さなか

梅雨に入りました。いきなり梅雨らしい空模様です、、、。掲句のトイレは国道429沿いの道の駅のトイレ、ここのトイレはいつも勢いよく水が出るのですが、とりわけこの時は壊れたのではないかと不安になるぐらいたっぷりと、、、。(2015年夏詠)