これもこの時期だけのほんの短い期間に見られる好きな景です、、、。(2015年夏詠)
カテゴリー: 2015
何もなき橋の袂の立葵
近くの何でもない普通の橋の袂に毎年数本の立葵が咲きます。たぶん最初は近所の方が邪魔になる立葵を持ってきて捨てたのだろうと思います。それが毎年毎年育っては花をつけます。立葵は強いですね。何でもない橋の袂の毎年の楽しみな景です、、、。(2015年夏詠)
たつぷりと水出るトイレ梅雨さなか
梅雨に入りました。いきなり梅雨らしい空模様です、、、。掲句のトイレは国道429沿いの道の駅のトイレ、ここのトイレはいつも勢いよく水が出るのですが、とりわけこの時は壊れたのではないかと不安になるぐらいたっぷりと、、、。(2015年夏詠)
夏蝶の白が来たりて黄をさそふ
争っているのだか仲良くしているのだか分からないのですが、、、。(2015年夏詠)
ちよつと手の届かぬ高さ桑いちご
こんなところに桑の木が、と気づいたのは数年前で、散歩途中の土手に一本だけ大きく育っています。おかしなもので、気づくまでは全く興味がなかったのに、気づいてからというもの桑の実の熟れ具合がきになります。そろそろ黒くなってきて食べごろかと思うのですが、残念ながらちょっと手が届かない、、、。(2015年夏詠)
走り梅雨三鬼の句碑の文字黒し
そろそろ梅雨が近い雰囲気になってきました。掲句は三鬼生家前の句碑です。車で市内から旧道を帰る途中に三鬼の生家はあります。俳句を始める前の三鬼のサの字も知らなかった頃から数えると何百回と通った道で、いつも車の中からチラリと見て通り過ぎます。生家の前に「枯蓮のうごく時来てみなうごく」の句碑が出来たのは比較的最近です。黒く塗られた文字が雨に濡れて余計に黒く見えます。もう少し落ち着いた色にして欲しかったと思うのですが、、、。(2015年夏詠)
代田から代田へ朝の風の波
毎年のことですが、代田の広がる朝の風景は美しいと思います。まさに日本の原風景といった感じ。素人の私の観察では、たいていの場合田植の前日の夕方に代掻きをし、一晩置いて静まった翌日に田植をするようです。すなわち、その朝の代田の鏡のように空を映した輝きを一番美しいと感じるのです、、、。(2015年夏詠)
ふりむいて猫も孤独や片かげり
猫にだって表情がある。掲句の猫は阿智神社で見かける猫。たぶんノラなんだと思うけれど、それほど薄汚れているわけでもなく、正確なところは分からない。本殿の板場で寝ていたり、石段の横の茂みから出てきて前を横切ったりする。たいてはツンツンして通り過ぎるだけだが、何の拍子かこの時は行き過ぎてから振り向いた。その表情、恋に破れた後だったのかも知れないような孤独な顔、、、。(2015年夏詠)
四阿の風にさらせる汗の服
今日は倉敷吟行。掲句は昨年5月の倉敷吟行での句。四阿は大原美術館裏の新渓園の四阿。ということは去年もやっぱり暑かったという事になる、、、。(2015年夏詠)
エレベーター開いて母子の夏帽子
一階でエレベーターを待っていると開いたドアから若いお母さんと小さな女の子が出てきた。二人とも大きな帽子をかぶり、すっかり夏の服装。さあ出かけるわよと言った楽し気な表情で話しながら出口に向かって行った。外は暑い、、、。(2015年夏詠)