山茶花や主の帰り待つやうに

長い間一人暮らしだったお婆さんが施設に入られたのは昨年の春だったろうか。掲句はそれから半年、散歩途中の道から見えるその家の庭に見事に咲いた薄いピンクの山茶花を見つけた時の句。さらに一年、今年も山茶花は咲き出したが、庭は少し荒れて、去年ほどの美しさは無い、、、。(2016年冬詠)

枇杷の花海近ければ海を向き

昨年の11月、児島「風の道」吟行での句。海の見える遊歩道脇に、自生したものだろうか、何本かの枇杷の木があった。海を向いて少しだけだが白い花が咲いていた。掲句を詠んで句会にも出したが、後になって枇杷の花にしてはちょっと早すぎるような気がして、ずっと気になっていた。それが先日、散歩の途中で花が咲いている枇杷の木を見つけた。こちらはいつもの道の見慣れた木、間違いようがない。やっぱりあれは枇杷の花で間違ってなかったんだと、なんだかホッとした。ちなみに我が家の枇杷の木は、まだ咲いていない、、、。(2016年冬詠)