長い間一人暮らしだったお婆さんが施設に入られたのは昨年の春だったろうか。掲句はそれから半年、散歩途中の道から見えるその家の庭に見事に咲いた薄いピンクの山茶花を見つけた時の句。さらに一年、今年も山茶花は咲き出したが、庭は少し荒れて、去年ほどの美しさは無い、、、。(2016年冬詠)
カテゴリー: 2016
石祠ぐるりと銀杏落葉かな
車で走っていて見かけた道端の神社の境内、銀杏の木の下に祀られた小さな石祠が、埋まるほどに銀杏の落葉が、、、。(2016年冬詠)
緋袴の干され社務所の神の留守
阿智神社にて、、、。(2016年冬詠)
冬紅葉映す山湖の色深く
句会への途中で見る旭川ダムのダム湖です。冬に入るとダム湖は山の紅葉を映しながらも、その山の色よりも少しだけ暗く見える。と、思うのはこちらの心理からなのかも知れませんが、、、。(2016年冬詠)
落葉掃く残る葉数を見上げては
我が家の落葉、もう一息というところまで来ました。庭に明るさが戻って来て、うれしいような寂しいような、、、。(2016年冬詠)
一すじの風の渦より神の旅
今日が旧暦の10月1日だから、神様はたぶん今日発たれるのだろうと思います。掲句は近所の神社で。周囲は鬱蒼と茂った杜、少しだけ開けた境内の落葉が急に渦巻いて、、、。(2016年冬詠)
日向ぼこ犬も私も平和主義
日差しがあるだけで幸せな気分です。出来ることなら争いごとは避けて通りたいものですね。みんなで日向ぼこでもして、、、。(2016年冬詠)
一駅を歩く寒さに腕組んで
児島「風の道」は旧下津井電鉄の線路跡をサイクリングロードに整備されたところ、歩くにも良い。周囲をみながら歩くと、あっと言う間に次の駅、ただし駅跡の看板が立っていただけでした、、、。(2016年冬詠)
煌きの遊ぶがごとし冬の海
普段海を見ることが無いものだからだろうか、日を受けて煌く波さえも楽しそうに見えてしまう。昨日に続き、児島「風の道」での句、、、。(2016年冬詠)
枇杷の花海近ければ海を向き
昨年の11月、児島「風の道」吟行での句。海の見える遊歩道脇に、自生したものだろうか、何本かの枇杷の木があった。海を向いて少しだけだが白い花が咲いていた。掲句を詠んで句会にも出したが、後になって枇杷の花にしてはちょっと早すぎるような気がして、ずっと気になっていた。それが先日、散歩の途中で花が咲いている枇杷の木を見つけた。こちらはいつもの道の見慣れた木、間違いようがない。やっぱりあれは枇杷の花で間違ってなかったんだと、なんだかホッとした。ちなみに我が家の枇杷の木は、まだ咲いていない、、、。(2016年冬詠)