うららかや坊主加はるかくれんぼ

吟行で寄ってみた某お寺、数人の子供がかくれんぼをしていた。そこへ現れた作務衣姿のお坊さん、一声かけるとすぐにかくれんぼの仲間に加わって行った。どうやら自分の子供も混じっているようだったが、しばらく楽しそうな声が続いていた、、、。(2021年春詠)

春光の屋根より雀零れ落つ

近所の平屋のお宅の屋根は毎朝雀の声で賑やかです。下を通っても平気で遊んでいます。時々もつれるようにして落ちてきます。落ちる先は塀の内側、なので私からは見えません。屋根も塀も薄茶色の和風のしゃれたお家です、、、。(2021年春詠)

階段のあれば昇降春の昼

今日は桜の句はお休みです。散歩する人にも人それぞれの理由があるのでしょう。散歩の土手から河原に降りる階段を何度も降りたり昇ったり、しばらく歩いてまた次の階段があると降りたり昇ったり、、、。(2021年春詠)

門までの傾斜なだらか芝桜

桜は桜でも今日は芝桜です。田舎の道路から畑一枚向こうの、一段高いところに大きな門と塀のある農家らしいお宅。道路から門までのゆるやかな坂道の両側、門の両側にも芝桜が満開。というかどうやら芝桜が地域の村おこしの材料のようでした、、、。(2021年春詠)

触れし手に木肌のぬくみ桜かな

四月一日、西東三鬼の忌日です。三鬼に「花冷えの城の石崖手で叩く」の句があります。かつて三鬼が遊んだ城山の石崖です。懐かしさが表れていますね。掲句は私の駄句、桜の頃の、感慨としては近いものだと思いますが、なかなか、、、。(2021年春詠)