河川敷の工事で使用した土に種か根か混じっていたのでしょう、岸辺ギリギリのところに山藤が生えて毎年花をつけます。と言っても縋るほどの木もなく、ほとんど地を這うような位置から枝を伸ばし花をつけます。自ずとその房の先は水に、、、。(2021年春詠)
月: 2022年4月
三日月のうるむ夕空春時雨
外に出てみると地面が濡れている。見上げると潤んだ三日月、残りの雨が間をおいて頬に落ちてくる、、、。(2021年春詠)
花は葉に一本桜風に鳴る
最近売り出し中の県北の山間部にある一本桜、ちょっと遅かったようで既に葉桜、風の強い日でした。桜の近くに古いお墓がいくつかありました。そう言えば有名な醍醐桜の近くにも古いお墓があったように記憶しています。今で言えば樹木葬、桜の近くで眠るのも悪くありませんね、、、。(2021年春詠)
柄杓にて蛙汲み出す甕の底
雨水受けに置いている甕、水は日々の水やりで使います。なぜか蛙がよく入ります。水と一緒に汲み出そうとするのですが、器用に柄杓を避けて泳ぎ回ります。それもこれまで、さすがに水面が下がり、水が少なくなるとこちらの勝ちになります、、、。(2021年春詠)
風光る満艦飾の雨上がり
待ちに待った雨上がり、待っていましたとばかりに干される洗濯物。こんな句を残しているのできっと昨年は雨が続いてこんな光景だったのでしょうね。今年は、雨は少ないですね。その代わり暑い、、、。(2021年春詠)
揺蕩うて潮入川の花筏
どのように散ろうと桜の勝手なのですが、今年の桜は長持ちがした分散り方がもう一つでしたね。掲句は昨年の倉敷で、、、。(2021年春詠)
鶯や会釈に応ふ手が一つ
鶯は用心深い鳥、気づかれると逃げてしまう。お互いに声はかけないでしばらく、、、。(2021年春詠)
雪柳ゆれて絡まること有らず
雪柳、ゆれる姿がきれいです。大丈夫です、どんなに風が強くても、絡まる事はありません、、、。(2021年春詠)
蛇に会ふベルト一本ぶんほどの
出会いはいつも突然なので驚いてしまいます。掲句は昨年、今年の初お目見えは4月7日でした。やはり1メートルはゆうにある青大将、朝で寒かったせいか全く動かずじっくりと観察しました、、、。(2021年春詠)
バッサリと切られスッキリ松の芯
散歩で久しぶりに通った道沿いのお宅の庭の松。ある朝見るとやけにすっきり。むさくるしく二階の窓を隠すほどに伸びていた枝もきれいに整理されていました。見事と言う他はない、、、。(2021年春詠)